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#1 DfAM:Design for AMとは?

2021/01/20

アプリケーション開発・受託製造 技術コラム 設計

こんにちは。CTOの酒井です。

皆さん、DfAMという言葉をご存じですか?
最近はAMに関わる人は猫も杓子も2言目にはDfAMというほど業界では当たり前のワードになっています。
が、実は個人的には最近この言葉が好きではありません、もっと言えば嫌いになりつつあります笑

その理由は、DfAMが本来の意味から離れて、製造者の都合(=AMの製造制約)をお客様に押し付けて、
設計変更を強要するための免罪符のようになっていると感じる面があるからです。

AMって設計の自由度が利点じゃなかったの?

金属造形の代表的な製造制約として『アンダーカット部分にサポートが必要となること』が挙げられます。
金属造形にとってサポートは造形の成功を左右する重要な技術要素であり、その設計は簡単ではありません。
サポート設計の良し悪しは歩留まりに左右するため、製造(造形)サイドの論理ではサポートは悪となり、
なければないほど有難く感じる、忌み嫌う存在となっています。


上記背景から、製造サイドはサポートレス化を達成するために設計変更提案を行うわけですが、
その際にDfAMありきで、製造側の要求を押し付け、設計者が本来意図した形状や機能を損なうような提案が粗製濫造されることに危機感を覚えます。
AMの利点は?ってなりますよね。

AMで高品質、高効率、高付加価値を実現するために、DfAMは強力な武器となる考え方、必修科目であることは事実です。
一方、プロセス側の作りこみ(サポート設計や照射パラメータの調整など)で、設計ルールから逸脱していても、
きちんとしたものが作れるケースも多いです。

ここでAM技術者に言いたいのは、
-プロセスサイド(AM技術者)が、まずは作りの技術で何とかする、図面通りのものを作る!っていう気概を持たないと技術なんて発展しない
-AMに詳しくない設計者にDfAMを押し売りし過ぎるとAM技術に対して間違った印象を与えることになりかねない

ってことです。


DfAMはAMの製造制約を回避し、

付加価値を最大化するための設計概念




AMは、CADから直接的に自由形状や複雑な形状の部品を作成できるという特徴があり、設計に大きな自由度を与えてくれます。
AMを使用したコンポーネントは、多くの場合、より軽量で、より効率的で、製品用途に最適化されたものとなります。

しかし、思いつく限りの形状を自由に設計できるわけではなく、他の製造プロセスと同様に、AM技術にも能力と限界があります。
優れた性能と実用的でコスト効率の高いAM部品の製造には、AM向け設計の考え方(DfAM:Design for AM)が重要となります。


DfAMと一言で言っても、制約条件も回避するための設計ルールから、従来にない付加価値の創造ができるコンピュテーショナルデザインまで
その領域は幅が広いです。


これから数回にわたって、DfAMについての諸々をご紹介していきたいと思います。
次回は「適合設計と最適設計」「AMならでは設計」などを詳しく解説予定ですので、お楽しみに。


 

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