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2022.04.21

nTopology Version3.0以降のアップデート内容紹介【3Dプリンター向け設計ソフト】

みなさま、こんにちは。開発部の川浦です。
nTopology(旧名称:nTop Platform)は昨年4月にVersion3.0となり、この一年間さらなるUIの改良と機能拡張を繰り返してまいりました。
今回はVersion 3.21(2022年3月時点)までのアップデート内容の内、多くの方に有用だと思われるものを厳選してご紹介したいと思います。

全般事項

ソフトウェア名称変更

“nTop Platform”から社名と同じ“nTopology”になりました。    

GPUアクセラレーション実装

CAD、メッシュ、ラティス及び多くのインプリシットモデルがGPUの補助で高速に描画されるようになりました。
一部パラメータはマウスドラッグによる値の変化に追従したリアルタイム描画を実現します。

nTopology/nTopで設計したモデル①

コピー&ペースト

ありそうでなかったCtrl+C及びCtrl+Vショートカットによるブロックのコピー&ペーストが実装されました。
右クリックメニューの”Duplicate”に相当し、コピー元と同じパラメータを持つブロックが新規に挿入されます。
つまりどちからのパラメータを変更してももう一方には影響しません。

マニュアル実行モード

ブロックの右クリックメニューからManual Run Modeを有効にすることで、個別のブロックごとに自動更新をキャンセルすることができます。

処理に時間がかかることが予想されるブロックの実行を後回しにしたり、そのつもりがないのに外部出力ファイルを上書きしてしまう事故を防ぐことができます。

nTopology/nTop

メッシュデータサイズの改善

メッシュデータを含むnTopファイルの保存にかかる時間及びファイルサイズが大幅に改善されました。
既存のファイルに反映させるにはメッシュを出力しているブロックのパラメータを更新してください。

ユーザーインターフェースの改善

ホーム画面

起動時にホーム画面が表示されるようになりました。代表的な作業のサンプルファイル、ヘルプや更新情報へのリンクを開くことができます。
不要な場合は上部メニューのFile>Settings>Generalからチェックを入れることでスキップすることができます。

セクション操作の改善

セクション名の右端のメニューボタンを上下にドラッグすることで、セクションの順番を自由に入れ替えることができるようになりました。処理結果には影響しません。
セクション間をまたいでブロックを移動させる際には、折りたたまれたセクションの上にブロックをドラッグするとそのセクションが展開されます。
セクションを削除すると内包するブロックもすべて削除されます。間違えて削除してしまった場合はCtrl+Zで戻すことができます。

セクションを移動.gif

エラー表示の改善

どこかで実行不能なエラーが生じている場合、ノートブックの右上にアイコンが表示され、クリックするとログを表示します。

折りたたんだセクション内のブロックにエラーがある場合は、セクション名の右端にアイコンが表示されます。

入れ子となっているブロックにエラーがある場合、外側のブロックを折りたたんでも右端にアイコンが表示されます。

コンテキスト検索

ブロックヘッダーの右端に検索バー(ショートカット:ブロックを選択足した状態でS)が表示されるようになりました。

これはそのブロックがどのブロックの入力として使用できるのかを検索し、実行します。
例えばブロックAからブロックBを検索すると、入力パラメータにAを内包した状態でBが挿入されます。

変数は検索対象とならず、変数化されているブロックではこの機能は使えません。

コンテキスト2.png

FEメッシュ右クリックからの塗りつぶし選択

選択したFEメッシュを直接右クリックし、“FE Boundary by Flood Fill”を選択するとマウスの位置を基準とした境界面ブロックを作成します。
拘束面や荷重面を手早く直感的に定義することが可能です。

UVWガイド

セルマップにUVWガイド軸が表示されます。
右下のメニューのチェックを外すことで非表示にできます。

ブロックの更新・追加

セルマップのフレーム自動定義

Rectanglar Cell Map (Beta)のUVW座標は、Volumeに入力したオブジェクトのmin pointを原点として参照するようになりました。
また、Cylindrical Cell Map (Beta)はオブジェクトの回転を認識し、自動でUVW座標を回転させます。
手動で再定義したい場合はFrameオプションを使用します。

セルマップ2.png

セルマップのトリム

Trim Cell Map (Beta)ブロックでセルマップを任意の形状にトリムすることができます。

固有振動数応答

トポロジー最適化の応答項目にNatural Frequency Response (Beta)が追加されました。

オーバーハング角度定義の見直し

トポロジー最適化の制約、Overhang Constraintブロックでは以前は造形方向に対する角度を入力していましたが、
Version3.2以降は造形平面に対する角度を入力するようになりました。

周期対称FEモデル

Cyclic Symmetry (Beta)を使用することで周期対称性のある形状について、
その一部だけを定義・解析し計算時間を大幅に短縮することができます。

VisualizeCyclicSymmetry.png

インプリシットモデルのメッシュ変換機能改善

精度が向上し、エッジのシャープ化及びメッシュの単純化オプションが追加されました。

オプションなし
Sharpenオプション
Shapen & Simplifyオプション

インプリシットモデルのミラーリング

これまでFEメッシュをミラーリングするブロックしかありませんでしたが、Mirror Bodyブロックによりインプリシットモデルも
面対称でコピーすることが可能になりました。

ミラー.png

その他

より詳細なアップデート情報はnTopologyのヘルプをご確認ください。
日本語での具体的な解説をご希望の方はお問い合わせまでお願いいたします。


今後も月に一度を目安にnTopologyのアップデート情報を掲載していく予定です。
よろしくお願いいたします。

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