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2025.10.06

nTop 2025年8,9月のアップデート内容【3Dプリンター向け設計ソフト】

 みなさま、こんにちは。nTop(旧nTopology)サポートの川浦です。
2025年8月及び9月のアップデート内容をご紹介します。

メッシュ変換の際の制御機能の追加や、計算に基づく任意の流線形状作成機能の追加が行われています。
またバージョン5.25以降発生していた、断面表示の際に切断平面の奥にあるオブジェクトを選択できないバグはバージョン5.29で修復されました。

Version 5.28

ブロックの追加

Spline by Tangents

 指定した座標と接線のベクトルからスプライン曲線を作成します。

ブロックの更新

FE Volume Mesh from CAD / FE Shell Mesh from CAD

 入力にPreserved Nodesオプションが追加されました。指定した座標をメッシュの節点として固定することができ、他のパラメータで揺らがないようになります。

 モデルの表面から浮いた座標でも問題ありませんが、CADエッジのプロパティからカーブを取り出し、それに沿った座標を作成すると意図した節点を作りやすくなります。

CADモデルとエッジ上の点

オプションなし

オプションあり

Remesh Surface / Volume Mesh

こちらもPreserved Nodesオプションでメッシュの頂点座標を固定できるようになりました。

Mesh from CAD

オプションなし

オプションあり

Version 5.29

ブロックの追加

Import Super Element (Beta)

 大規模システムのモデルを解析するためにスーパーエレメント法を利用するブロックです。

翼部をスーパーエレメントとしたモデル(翼部のメッシュは仮想表示用に別途用意したもの)

スーパーエレメントを使用した固有振動数解析結果サンプル

Conic

 3点から円錐断面曲線によって境界が定義されるインプリシットモデルを作成します。主に空力設計用途です。
3点のZ成分は無視され、XY平面に無限に広がるため表示させる場合は範囲を制限する必要があります。
ρ値はRampブロック等で空間的に変化させることが可能です。

Cubic Bezier

 4点から3次ベジエ曲線を境界とするインプリシットモデルを作成します。
こちらもZ成分は無視され、XY平面に無限に広がります。

マークダウン記法のサポート

 ノートブックの説明とブロックのコメント欄でマークダウン記法が使用できるようになりました。
これに伴いEnterキーは単に改行となり、Escキーで確定となります。

Version 5.30

ブロックの追加

Evaluate Expression (Beta)

 テキストで数式を書くブロックです。
数字以外の文字列は変数として定義され、フィールドを代入することが可能です。
単位がある場合、各項で単位が一致していないと加減算はできませんので乗除を行う場合は注意が必要です。
Dimensionality入力は結果として想定単位を入力します。実際の計算結果の単位がこれと一致していない場合はエラーとなります。
これは単位を入力するためのものなので数値自体に意味はありません。

Point between Points

 2点間の距離の割合で中間点を作成するカスタムブロックです。(Factor=0.5で中点)

Offset Plane

 平面を法線方向に指定距離分オフセットするカスタムブロックです。

Point in Frame

 任意のローカル座標系に対する点を作成するカスタムブロックです。

Two Body Field

 2つのインプリシットモデルA, Bについて、Aの表面が-1、Bの表面が1となる線形補間フィールドを作成するカスタムブロックです。
(2つのモデルの中間位置が0となります)

Isotropic Porous Medium Property

 nTop FluidsでラティスやTPMSなど多孔質構造の大規模モデルを均質化法でシミュレートするためのブロックです。
透過率、フォルヒハイマー係数を定義します。

ブロックの更新

Ray Cast (Beta)

 ある点からのベクトルとオブジェクトが交差する位置の座標を計算します。
従来はオブジェクトはボクセルグリッドのみが対象でした(こちらはβではありません)が、インプリシットモデルに対しても使用できるようになりました。

無限長モデルの可視化

 右パネルのDisplayタブに以下の2つの項目が追加されました。

  • Hatch clipped regions
  • Clip infinite to scene

チェックをオンにすると無限長のモデルを自動でクリッピングし、その境界をハッチングで表示します。
Update clipping regionをクリックするとカメラ画角に応じて自動でクリッピングサイズを更新します。

最適化過程のプロット

 トポロジー最適化ブロックで右パネルのDisplayタブから確認できる計算過程グラフを最大表示にすると、下パネルに点がプロットされ値を参照できるようになりました。

Version 5.31

ブロックの追加

2D Vector Field

 2軸の平面のベクトルフィールドブロックです。バージョン5.29で追加されたConicCubic Bezierで利用できます。
合わせて、通常の3次元ベクトルフィールドからXY, YZ, XZの各2Dベクトルフィールドを参照できるようになりました。

主な更新内容は以上です。その他マイナーな更新やバグ修正が行われています。

より詳しい内容はnTopのヘルプをご確認ください。
導入のご相談やデモの希望など、nTopに関するご質問はお問い合わせまでお願いいたします。

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