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2025.08.04

EOS 樹脂3Dプリンターの日々のお手入れ ②

 前回、樹脂3Dプリンターのプロセスチャンバーの日々のお手入れについてご紹介いたしました。日々の清掃をすることは、3Dプリンターの変調の早期発見や消耗品の劣化を遅らせることにつながり、結果として3Dプリンターを長くご利用いただくことができます。そのため今回は続編として、樹脂3Dプリンター FORMIGA P 110シリーズのエクスチェンジャブルフレームのお手入れについてご紹介します。
前回の記事「EOS 樹脂3Dプリンターの日々のお手入れ ①」
図1.FORMIGA P 110 Velocisのエクスチェンジャブルフレームの位置
EOSの樹脂3Dプリンターには図1のエクスチェンジャブルフレームという、造形物と未焼結の粉末材料が堆積していく交換可能なフレームがあります。造形後にフレームを入れ替えてすぐに次の造形を行うことができるため、造形サイクルを短くすることが可能です。
みなさん、造形後は3Dプリンターの清掃をしていますか?
造形後のエクスチェンジャブルフレームには、たくさんのパウダーがフレームに付着します。
このパウダーを清掃せずに造形するとどうなるでしょうか。
EOSの3Dプリンターの造形方法は、PBF方式と呼ばれる技術で樹脂粉末材料を薄く敷きつめて、レーザーで焼結させる工程をくり返すことで立体を形成します(参考:AMとは)。造形エリアでは、粉末材料を薄く敷き詰めるためにリコーターという機構が左右に作動していますが、たとえば付着したパウダーが造形中に何度も熱をかけられると、粒子が固まってしまい異物(ゴミ)となって造形エリアをリコーターで引きずり、造形は失敗するでしょう。このような失敗は、清掃を実施することで解消できるのです。

更に、清掃せずにエクスチェンジャブルフレーム内にパウダーが付着したまま造形をくり返すと生成された異物は大きくなり、それが原因で部品の間に隙間ができます。そうすると隙間から粉末材料が3Dプリンター内に漏れ出てしまい、新たなトラブルに発展してしまう恐れがあります。FORMIGA P 110シリーズの3Dプリンターは1年ごとの定期点検で決められた部品を交換していますが、エクスチェンジャブルフレーム内を清掃しない場合、1年ごとの定期点検待たずに部品交換をしなければならない可能性がでてきます。
以上のように清掃をしない状態で3Dプリンターを使い続けると、正常な造形が行われないだけでなく、部品の交換頻度が非常に多くなります。それを防ぐためにも、エクスチェンジャブルフレームは内側と外側を丁寧に清掃することが大切です。万が一、汚れが蓄積してしまい防塵掃除機ではうまく取れない場合は、他の方法をご案内いたしますのでカスタマーポータルでお問い合わせください。


日常の運用においてご留意いただきたい点につきましても、導入時の操作トレーニングにて丁寧にご説明いたします。また、ユーザー様専用のポータルサイトをご用意しておりますので、運用中にご不明な点が生じた際には、いつでもお気軽にお問い合わせいただくことができます。導入後も3Dプリンターを安心して長く快適にご活用いただけるよう、当社がサポートいたします。

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