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2025.12.22

レーザーパワーの減衰が金属3Dプリント品質に与える影響と対策

 当社で実施している金属3Dプリンターの光学系の定期点検の1つに、レーザーパワーの計測があります。
3Dプリンターの使用を重ねることで、レーザーパワーは徐々に減衰します。その結果、設定された出力値に対して、実際の出力が低下することがあります。この出力低下は、加工品質や寸法精度に影響を及ぼす可能性があるため、定期的な補正が不可欠です。たとえば、同一条件で造形を行った場合でも、目標とする機械的特性が得られなくなることがあります。また、複数台の3Dプリンターを並行運用する際、各装置の出力差により、均一な品質での製造が困難になる恐れがあります。
EOS M 290 (Source: EOS)
金属3Dプリンターのレーザーパワーの計測には特殊な機器を使用しており、計測器に一定時間レーザーを照射することで値を出すことができます。計測する機会としては主に2パターンあります。
1つめは冒頭にお伝えした当社が実施する定期点検での計測です。当社のエンジニアが点検時に計測を行い、前回の点検時より減衰している場合には専用のツールで出力補正を行うことが可能です。たとえば、通常は60%のレーザーパワーで240Wの出力が得られていたものが、減衰により220Wしか出力されなくなった場合、出力低下を補うためにレーザーパワーを65%等に調整します。これにより、指示された240Wの出力を維持することが可能になります。
しかし使用に伴いレーザーパワーが過度に減衰してしまい、補正しきれない場合もあります。その場合、充分なレーザーパワーが出力できなくなり、造形不良につながる可能性が極めて高くなります。定期点検では、計測結果に応じてレーザー交換の対応が必要であるかといった確認も行っております。
2つめは造形前後にユーザー様が計測を実施していただく場合です。当社は、ユーザー様による日々の計測も推奨しています。レーザーパワーの計測を運用項目に追加していただくことで、状況をいつでも把握することができ、レーザーパワーの推移も読み取ることができます。
今回は金属3Dプリンターのレーザーパワー計測の重要性や役割についてご紹介いたしました。使用している3Dプリンターの能力を最大限活用するために、レーザーパワーの値を把握することは造形プロセスの健全性や造形物の品質確保に欠かせないことだと言えます。当社はお客様の3Dプリンター運用のために、さまざまなサポート体制を整えております。ご興味がありましたら是非お問い合わせください。

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