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2025.06.23

ハイブリッド造形とは?【金属3Dプリンター】

 金属3Dプリンターの造形方法の一つに、ハイブリッド造形というものがあります。これは他の加工機で製作した部品にPBF(Powder Bed Fusion=粉末床溶融結合法)方式の金属3Dプリンターで継ぎ足して造形する造形方法です。
3Dプリンターで製造するメリットがある部分と、従来加工機で対応できる部分とで製造方法を分けることで、3Dプリンターのみで製造するよりも製造時間の短縮やコストの削減などができる場合があります。更に材料によっては異なる材料同士の接合もできるため、たとえば安価な材料を使用して製造した部品の上に、高価な材料を使用してハイブリッド造形することも可能です。この記事では、実際にハイブリッド造形を行った事例をご紹介いたします。
図1は円柱部分を1次加工で製造した後に、半球状の部分を3Dプリンターでハイブリッド造形をしています。図2で内部を見ると、赤破線の位置より下部の内部構造はシンプルであり上部は複雑な形状になっていることから、ハイブリッド造形することに適していることが分かります。
図1.ハイブリッド造形後(Source:EOS)
図2.設計データ(Source:EOS)
しかし、ハイブリッド造形特有の難しさも存在します。その一つに製作した部品からハイブリッド造形を開始する際、境界部のずれを発生させないために、位置合わせという作業を行う必要があります。ハイブリッド造形をしない一般的な造形では、造形データの座標と実際に照射する座標とに僅かな誤差が生じても問題がないため、3Dプリンターは機械的原点を持っていません。この位置合わせをサポートする機能としてEOS社の金属3Dプリンターには、Reference Point Calibrationというオプション機能を追加することができます(図3)。ハイブリッド造形の際にはこの機能を使用することで、造形データの座標と実際に照射する座標の誤差を補正することができます。この作業にはある程度の慣れが必要となりますが、当社よりレクチャーをさせていただきますのでご安心ください。
図3.Reference Point Calibration実施前後
次にハイブリッド造形の様子をご紹介します。
ハイブリッド造形にはベースプレートの上にハイブリッド造形用のベースプレートを装着して、更にその上にハイブリッド造形でつなぎ合わせる土台の1次加工部品を装着させて固定します。(図4)
図4.ベースプレートの上にハイブリッド造形用のベースプレートとハイブリッド造形用の一次加工部品を装着 (Source:EOS)
3Dプリンターに設置して造形準備を行います。(図5)
図5.ハイブリッド造形の準備 (Source:EOS)
位置合わせ作業を行ったあと、造形を開始します。(図6)
図6.ハイブリッド造形中の様子と、取り出しの様子 (Source:EOS)
造形後の様子です。位置合わせを行った結果、きれいに境界線をつないで造形することができています。(図7)
図7.造形後 (Source:EOS)
当社では3Dプリンターを活用するための支援体制を整えておりますので、ご興味のある方は是非お問い合わせください。

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