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2025.06.18

nTop 2025年5月のアップデート内容【3Dプリンター向け設計ソフト】

 みなさま、こんにちは。nTop(旧nTopology)サポートの川浦です。
2025年5月のアップデート内容をご紹介します。

 ついにnTopに流体解析機能 “nTop Fluids” が実装されました。一般的な多面体メッシュを使用せず、ボクセルグリッドを利用した格子ボルツマン法(LBM法)に基づく高速かつ軽量なCFDです。

アルゴリズムや信頼性についての詳細は下記リンク先の記事やホワイトペーパーをご確認ください。

 本機能は追加のアドオン費用をかけることなく使用可能ですが、実行にはNVIDIA製GPUが必須となり、計算可能なモデルの規模・解像度はGPUメモリのサイズに依存します。
 また、現段階ではβ機能のため、仕様は今後変化していく可能性が高いことにご注意ください。

Version 5.22

 このバージョンではバグ修正のみ行われています。

Version 5.23

シミュレーション関連ブロックの更新

 CFDの実装に伴い、従来のFEM解析のブロックにも大きく変更が加えられています。以前のシミュレーションワークフローを開いた場合、自動で対応されるものとそうでないものがあります。
詳細はこちらの記事をご確認ください。以下は概要です。

  • FEM解析の場合はメッシュを使用した”FE~”、CFDの場合はインプリシットモデルを使用した“Virtual~”に名称が分かれます。
  • 形状と物性を組み合わせたものはFE (Virtual) Domain, 境界はFE (Virtual) Boundaryといった具合です。(“Component“という名称は使われなくなりました)
  • Simulation Modelブロックを使用し複数のFE (Virtual) Domainを組み合わせ、それぞれFE (Virtual) Modelとして解析を実行します。
  • 単一の形状モデルであれば型の自動変換により、FE (Virtual) Domainをそのまま解析ブロックに入力することも可能です。

nTop Fluids関連ブロックの追加

 nTop Fluidsの詳細な実行方法・トラブルシューティングについてはサポートページに新しく追加されたセクションの各記事やnTop Learn、各ブロックのオフラインドキュメントをご確認ください。

Fluid Attribute

 流体特性を定義します。

Air / Water

 NIST(米国立標準技術研究所)の標準に基づく汎用の空気と水の流体特性プリセットです。

Isotropic Fluid Property

 Isotropic Materialブロックと組み合わせて任意流体の動粘度を入力します。

Velocity

 指定された境界における流速をベクトル量で定義します。
使用方法はFEMのForceブロックと同様ですが参照できるのはグローバル座標のみです。

Flow Analysis

 流体解析を実行します。
流体領域と物性を組み合わせたVirtual Model、一組以上の速度と圧力の組み合わせ、及びボクセルサイズが最低限必要なパラメータです。
実行されると最初に流体領域のボクセル化が行われ、必要なGPUメモリが計算されます。メモリが不足する場合はエラーとなるため、ボクセルサイズを大きくする、他にGPUを使用しているアプリケーションを終了するなどの対策をとる必要があります。

 実行が完了すると圧力と速度の分布を、瞬間値と時間平均値で見ることができます。

 右側パネルのDisplayタブからは流線表示への切り替えと表示本数の調整ができ、さらにSpecify Seedを有効にすると仮想球を通過する流線のみを表示することができます。

また、解析の経過は下側パネルのログから確認することができます。

 CFDの結果からは圧力及び速度をフィールドとして取り出せる他、ポイントマップに変換することができるため、配管の負荷解析や流路の最適化にそのまま利用することが可能です。

2Dプロファイル関連ブロックの追加

Rectangle

 中心点と2編の長さから長方形プロファイルを作成します。角Rと傾きの入力が可能です。

Rectangle by Point

 2点から長方形プロファイルを作成します。角Rの入力が可能です。

Slot

 中心座標から長穴プロファイルを作成します。傾きの入力が可能です。

Slot by Points

 両端の半円の中心座標から長穴プロファイルを作成します。

Point along Curve

 カーブ上の座標を視点からの長さで取得します。複数の座標を得るには複数の長さを入力します。
カーブの全長より大きい値の場合、直線やスプライン曲線では終点からの延長直線上、円弧の場合は円周上の座標を取得します。

Arc by Angle

 中心軸と始点座標から任意の角度の円弧を作成します。

Line by Direction

 指定座標から任意の方向・距離へ直線を作成します。Centeredオプションを有効にすると指定座標を中心として両側へ延びる直線になります。

Merge Profiles

 複数の2Dプロファイルを結合します。

主な更新内容は以上です。その他マイナーな更新やバグ修正が行われています。

より詳しい内容はnTopのヘルプをご確認ください。
導入のご相談やデモの希望など、nTopに関するご質問はお問い合わせまでお願いいたします。

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