作業の様子

TECH BLOGTECH BLOG

2025.11.25

ドイツで受講した金属3DプリンターEOS M 400のエンジニア研修

 当社では、EOS社の公式トレーニングを受けて認定資格を取得したエンジニアが、金属と樹脂の3Dプリンターの保守作業に携わっております。私は今まで中型機の金属3DプリンターEOS M 290を担当していましたが、担当機種を増やすため大型機であるEOS M 400のトレーニングを受けることになりました。今回のTECH BLOGでは、私が2024年6月にドイツで受講したEOS社の公式トレーニングでの体験談をお届けします。
トレーニングはドイツのミュンヘン近郊にあるEOS工場にて実施され、私とイタリアの代理店から来たエンジニア2人の計3人で一緒に受講しました。
最初の数日間はベーシックトレーニングとして、3Dプリンターを取り扱う上での安全教育や操作方法、造形準備・取り出し作業について学びました。その後、徹底的なエンジニア用のトレーニングを行いました。機構系・光学系それぞれのメンテナンス方法について、構造の説明を受けながら分解・清掃や計測・調整を実際に行い、実践的に理解を深めました。
そのなかで特に印象的だったのが、RFS2.0です。
RFS(Recirculating filter system)は、3Dプリンターの造形室内から排気された不活性ガスに含まれる、スパッタなどの造形中の副生成物を除去し、浄化されたガスを再び造形室内に循環させるためのフィルターシステムです。RFS2.0は他のRFSと異なり、フィルターの寿命が長くなりました。
お客様による定期的なフィルター交換が不要になったことが長所ですが、フィルター交換が必要になった際には当社のエンジニアによる作業が必要となります。
しかしRFS2.0のフィルターは寿命が長いため国内ではまだ交換実績がありません。
認定トレーニングではこのフィルター交換についても経験することができました。実際に見たことがなかったRFS2.0の裏側の構造についても実践的に学ぶことができ、私にとって貴重な経験となりました。
トレーニングを受講したEOS工場は3Dプリンターの組み立て工場も兼ねており、出荷前のEOS M 290やEOS M 400の見学もさせていただきました。工場内では、日本に未導入の新たなGrenzebach Dual Setup Station (= Dual SES) を見ることができました。Dual SESは通常のセットアップステーションとは異なり、2つのエクスチェンジャブルフレームを格納できます。造形終了後、すぐに新たなエクスチェンジャブルフレームを自動で本体に投入することができ、造形間のダウンタイムを削減することが可能な魅力的な機種です。もしご興味ございましたら是非お問い合わせください。
EOS M 400-4 with the Grenzebach Dual Setup Station – EOS edition (Source:EOS)
以上のようにEOS社のトレーニングを受講して、認定を受けたエンジニアが当社には多数在籍しています。
3Dプリンターの導入をご検討されているお客様からは、「メンテナンスにはドイツからエンジニアが来られるのですか?英語に、自信がないのですが・・・」とよくご質問いただきますが、認定資格を取得した私達がお伺いしますので、ご安心ください。
最後になりますが私自身初の海外ということで不安もありましたが、講師の方が丁寧に教えてくださり、一緒に受講した方もとても親切で有意義なトレーニングとなりました。

関連記事

会社概要​COMPANY

  • 会社情報​ABOUT US

    VISION:AMをものづくりのあたりまえに
    MISSION:AMの実践者であり先導者として、産業化されたAMプロセスを実現する

  • 製品・サービス​SOLUTION

    AM装置の販売からメンテナンス、受託生産、ソリューション開発に至るまで、
    AMに関するさまざまな事業を展開しています。