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2022.06.17

nTopologyによるフィールドドリブン設計【3Dプリンター向け設計ソフト】

みなさま、こんにちは。開発部の川浦です。
今回はフィールドドリブン設計(Field Driven Design)についてご紹介いたします。

フィールドとは

nTopologyについて調べたことがある方はフィールドドリブン設計という名称はご存じかもしれません。
しかし具体的にどういうものなのか感覚として掴めていない方も多いのではないでしょうか。

nTopologyの「フィールド」という言葉は、座標空間における特定のパラメータの分布を表します。
温度の分布であれば温度フィールド、圧力の分布であれば圧力フィールドといった具合です。

例:地球の温度フィールド

これらのパラメータ分布はnTopology内のシミュレーション結果から得ることも出来ますし、ANSYS Fluent®などの外部ソフトデータ、CSV形式などで計測データもインポート可能です。

ではそういった解析・計測結果がなければフィールドは存在しないのかというと、そうではありません。
nTopologyにおける最も一般的なフィールドは「距離」です。
点・軸・面・立体、そしてインポートしたオブジェクトなどからの距離をフィールドとして扱うことができます。
(そして負の距離はソリッド部分を意味します)

以下は距離フィールドを可視化した例です。

軸からの距離
面からの距離
オブジェクトからの距離

フィールドドリブン設計

さて、元ネタとなるフィールドが用意できても、値の単位が℃やPaではそのまま設計には使用できません。
単位を変換したフィールドを再定義する必要があります。(例:最小値0℃⇒1mm、最大値100℃⇒20mm)
この再定義したフィールドを固定値の代わりに入力することで、形状に変化をつけるのがフィールドドリブン設計です。
以下に具体的な例をいくつか挙げます。

  • 高い圧力がかかる部分の部材密度を高くする
  • 応力値(ストレス)が高い部分の板厚を厚くする
  • ラティス構造とパーツとの距離が近い部分(接合部分)を太くする
圧力を密度に変換
応力を厚さに変換
距離を太さに変換

フィールドの活用

フィールド同士の計算

フィールドは通常の定数と同様に四則演算や比較を行うことができます。
フィールドAの値をフィールドBの比率で補正したり、2つのオブジェクトの中間座標を取得することなどができます。

例:中心軸の距離フィールドの合成

画像の立体化

また、nTopologyではインポートしたグレースケール画像からフィールドを作ることも出来ます。(黒=0~1=白のフィールド値)

元画像
生成されたグレースケールフィールド

このグレースケール値を押し出しの距離に変換することで、絵が立体モデルになります。

これを応用すればテクスチャの造形や、複雑なブランドロゴを3Dモデルに埋め込むことも容易です。

いかがでしたでしょうか。
導入のご相談やデモのご希望など、nTopologyに関するご質問はお問い合わせまでお願いいたします。

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