みなさま、こんにちは。開発部の川浦です。
今回はジャイロイド構造について紹介いたします。
ジャイロイドとは
ジャイロイド(Gyroid)は周期的なパターンが三次元に無限に続いていくTPMS(Triply Periodic Minimal Surface:三重周期極小曲面)の一種です。
この複雑に入り組んだ構造を切削で作りこむことは困難で、3Dプリンター向けの形状と言えます。
ジャイロイドは次の近似式で表すことができ、周期の区切りを平面的に見ると正弦波が重なっているように見えます。
sin(x) cos(y) + sin(y) cos(z) + sin(z) cos(x)
ジャイロイドの特徴
表面積
ジャイロイド構造にすることで軽量化だけでなく、単位立方体あたりの表面積を大きくできるメリットがあります。
下図は10x10x10mmの立方体にジャイロイドを適用した場合と、同体積になるラティスとの比較です。
表面積:1,343 ㎟
表面積:893㎟
応力(ストレス)
曲面で構成されているため、ラティス構造と比較すると応力集中が少なくなります。
2空間の分離
下の図はジャイロイド構造の隙間の空間を可視化したものです。
2つの空間が接触することなく交差しているのがお分かりいただけると思います。
これらの特徴を活かして、強度を持ったヒートシンクや熱交換器などへの応用研究が進んでいます。
nTopologyにおけるジャイロイド
nTopologyではあらゆる形状に沿ったジャイロイド構造を簡単に生成することができます。
円柱状や球状に広がる形状も実現可能です。
その他のTPMS構造
また、ジャイロイド以外のTPMS構造も選択可能です。
いくつかの例と近似式をご紹介します。
新たな技術アイディアのご参考になれば幸いです。ジャイロイドを適用した事例も是非ご参照ください。
導入のご相談やデモのご希望など、nTopologyに関するご質問はお問い合わせまでお願いいたします。