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2025.02.26

展示会レポート:Formnext 2024 編

 今回はドイツと日本における最大規模のアディティブ・マニュファクチャリング(以下、AM)展示会でのEOS社、AMCM社そして当社の出展内容をご紹介したいと思います。

まずは開催から少し時間が経ちましたが、昨年2024年の11月19日(火)から22日(金)までの期間、ドイツ・フランクフルトにて開催されましたFormnext 2024での出展紹介から。今回のFormnext 2024の開催規模は、会場面積が54,000 ㎡、出展社数が864社(昨年度比0.6%増、うち61%がドイツ国外の企業)、来場者数が34,404名(昨年度比4.2%増、うち48%はドイツ国外からの来場者)となり、過去最大規模での開催となりました。
EOS社のブース①
AMCM社のブース
EOS社+AMCM社も例年通り300㎡とかなり広い出展スペースを用い、様々な最新技術を紹介しました。その中でも一番の目玉は、EOS社が満を持してFormnext 2024の開幕に合わせて発表した樹脂用LPBF 3Dプリンターの次世代機EOS P3 NEXTです。Formnext 2024の初日に実施されたリリース発表の時にはEOS社のブースには沢山のお客様が集まり、熱気に包まれました。日本では金属用3Dプリンターのイメージが強いEOS社ですが、世界中の多くのお客様がEOS社の新しい樹脂用3Dプリンターに期待をしておられるのだなと改めて感じました。
Formnext 2024初日に行われたEOS P3 NEXTリリース発表時の様子
EOS P3 NEXT は従来機EOS P 396よりも設置面積が小さいながら、造形容積は同じ340×340×600mmを確保しています。
性能的には、前工程のプリヒーティング、造形工程のプロセスコントロール、後工程の冷却処理の高速化を図り、従来機に比べ生産性を最大50%向上させることができます。また材料粉末の再利用率も高く、ALM PA 950 HD ナイロン12を使用した場合は80%、EOS PA 2220 High Reuseを使用した場合は70%となり、高い再利用率を実現しています。他にも造形品質の向上、総所有コストの削減などが可能な非常に魅力的なシステムとなっていますので、ご興味のある方は是非お問い合わせください。
ブース内に展示されていたEOS P3 NEXT
今回ブース内で展示されていた樹脂の造形物は、現在EOS社が注力しているコンシューマー製品、航空、医療、産業の4つの領域に属するものが中心となっていました。具体的にはメガネフレーム、航空機の内装部品、外科手術時に使用するガイド、歯並び矯正具、工場の生産設備で利用する治具、取付具、グリッパーなどです。その他FESTO社がEOS社のFDR技術を利用し製造した超軽量Bionic Bee(重さ34gの人工的に作った蜂で、実際に蜂のように飛行可能)などEOS社の高い技術力をアピールする展示物も多くのお客様の注目を集めました。
EOS社のブース②
金属用3Dプリンターでは、AMCM M 290-2 FLXの実機が展示され、実際に造形している様子をお客様にご覧いただきました。この装置には2本の1.2kW nLIGHTレーザーが搭載されています。nLIGHTレーザーは7つの異なるレーザープロファイルの提供が可能で、例えば輪郭部はスポット径の小さいレーザープロファイルで照射し、内部はスポット径の大きいプロファイルで照射するなど造形の柔軟性や生産性を高めることができます。
EOS社もBEAM SHAPING : Next-Level Light Engine Powerと言うキャッチコピーをブースの壁面に大きく掲げるなど、nLIGHTレーザーを積極的にアピールしていました。現状nLIGHT搭載機は日本国内未導入ではありますが、最近日本のお客様からnLIGHT搭載機に関するお問い合わせが非常に増えており、日本国内初号機導入も早々に実現できると思っています。
ブース内に展示されていたAMCM M 290-2 FLX
ブース内壁面にBEAM SHAPING : Next-Level Light Engine Powerのキャッチコピー
今回ブース内で展示されていた金属造形物の中で、ひと際お客様の関心を集めたのはAMCM M 8Kで造形された800 x 800 x 1000mm サイズのロケット燃焼チャンバーのデモパーツです。材料は銅合金(CuCrZr)を使用し、M 8Kのテスト機で一番初めに造られたパーツでまだオーバーラップ部分に筋が見えたりと粗さも目立ちましたが、このサイズの部品を1回目の造形で成功させたということは、お客様には十分インパクトを与えることができたと思います。
800 x 800 x 1000mm サイズの
ロケット燃焼チャンバーのデモパーツ
次回は、先日出展いたしました TCT Japan 2025 についての報告をさせていただきます。

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