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2023.02.22

nTopology アップデート内容(12, 1月)【3Dプリンター向け設計ソフト】

みなさま、こんにちは。開発部の川浦です。
2022年12月から2023年1月のnTopologyアップデート内容をお知らせいたします。

Version 3.38

正確な板厚のTPMSユニットセル(β機能)

 通常、Walled TPMS Unit Cell (with Offset)ブロックで定義されるTPMS形状は入力された板厚値に対して近似的な板厚で生成されており、特にセルが立方体でない場合は入力値と大きく乖離する部分が生じていました。
追加されたβ機能“Exact Thickness”を有効にすると、すべての領域で板厚を入力値と正確に一致させることができますが、ものすごく処理時間が長くなります。

ブロックの入力パターンから2段目を選択して有効化

 この機能による差を下の図に示します。板厚の入力値は共に1㎜ですが、灰色のモデルが従来の結果で、緑色のモデルが今回の機能を有効にしたものです。緑色の板厚が歪んで見えるのは曲面の法線に対して正確に板厚を取っているためです。

Exact Thickness オン/オフの違い
ユニットセルを鉛直方向から見た場合に板厚が入力値と一致する部分

 円筒座標系のTPMSではセルが収縮する中心部では板厚も圧縮され薄くなってしまいますが、この機能を有効にすると中心部でも均一な板厚を得ることができます。

 ただし念押しになりますが処理時間が何倍にもなり、ブーリアン演算などインプリシットモデルとして計算する過程全てに影響があります。形状を頻繁に変更して検討する段階では使用しないことを推奨いたします。

Graph from Mesh Faces(β)

 ビームの太さではなく、面の厚さを変化させるオリジナルのラティス構造をメッシュから定義することができます。nTopology内で作成したメッシュの他、CADのサーフェスモデルをメッシュに変換することでも利用可能です。通常、Custom Unit Cell(β)と組み合わせて使用します。

最近使用したファイル

 メニューバーのFile>Open Recentから最近使用したファイル(10個まで)を開くことができるようになりました。

 オーバーロードの仕様変更

全てのブロックにおいて、入力型のパターンが複数ある場合、事前に切り替えずとも入力に応じて自動で切り替わるようになりました。
(意図しない操作でも成立してしまう場合があるのでご注意ください)

ブロックの更新

Import Part (Version変更なし)

 CADの相互運用ライブラリをアップグレードして、Creo 9.0、Inventor 2023、NX 2206 などの最新のCADツールのファイルをインポートようになりました。

Split Text (Version変更なし)

区切り文字の指定はオプションになり、空欄の場合は1文字ずつ分割されるようになりました。

Equals (Version変更なし)

 既定の入力型が“Scalar, Scalar”になりました。また文字列が一致する場合にTrueを返す“Text, Text”の入力型が追加されました。

Static Analysis (Version変更なし)

 ビーム要素を含むモデルでの計算精度が向上しました。

Modal Analysis (Version変更なし)

 Min/Max frequency入力の単位に規定でHzが入るようになりました。

Surface Integral
Surface Area from Body
Curvature
Gaussian Curvature
Displacement Pointmap

(Version変更なし)

 入力型のパターンが追加されました。

Orthotropic Linear Elastic Property (Version変更なし)

 直交異方性弾性プロパティは9つの入力を持つようになりました。

Version 3.39

Manufacturing Support Beams(β)

 造形時のサポート作成を補助するブロックが追加されました。オブジェクトから平面に垂直に降りるビームを定義します。あくまでビームを作成するブロックであり、厚み付けやラティス化などの定義は別途必要になります。

ビームからサポート形状を作成した例

Version 3.40

ブロックの更新

 以下のセルマップブロックの動作が高速化されました。基本的にアップデート前後でセルマップの形状は一致しますが、セルマップの基準となるボリュームの外形がセルマップの端面とほぼ一致していた場合にはズレることがあります。その場合はTrim Cell Mapブロックで余分なセルを削るか、Offset Bodyブロックなどでボリュームをわずかに大きくして足りないセルを作成してください。

  • Rectangular Cell Map (Version 1.1)
  • Cylindrical Cell Map (Version 1.2)
  • Spherical Cell Map (Version 1.2)

その他マイナーな更新やバグ修正が行われています。

詳細はnTopologyのヘルプをご確認ください。
導入のご相談やデモの希望など、nTopologyに関するご質問はお問い合わせまでお願いいたします。

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