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2024.07.11

nTop 2024年6月のアップデート内容【3Dプリンター向け設計ソフト】

 みなさま、こんにちは。nTop(旧nTopology)サポートの川浦です。
2024年6月のアップデート内容をご紹介します。

 メジャーアップデートが行われ、nTopはVersion 5になりました。
今回は画期的な新しい機能が追加されたわけではなく、基礎機能の堅実な強化といった内容になっております。
同一のファイルでも以前のバージョンと比較して若干の形状差異が発生する可能性がありますので、
新バージョンでファイルを更新する前にバックアップを取っておくことをお勧めいたします。

Version 5.0

インプリシットモデリングカーネルの更新

 nTopの基幹であるインプリシットモデリングの計算能力が向上しました。
次のような利点があり、ワークフロー全体として大幅な作業効率の改善が見込まれます。

  • レンダリング速度・精度の向上
  • 大規模なブーリアン演算の実行速度向上
  • メッシュ変換精度の向上

ブロックの追加

Import Implicit Body

 Export Implicit Bodyで作成した.implicitファイルをインポートします。
長大なワークフローをコピーして再実行する必要はなく、軽量かつ正確なモデルデータのみを他のプロジェクトへ引き渡すことができます。

Parallel Remesh Surface (Beta)

 CPUの並列処理により高速な再メッシュを実現します。
スレッド数はオプションで指定可能(最大32)ですが、1の場合は通常のRemesh Surfaceブロックと同等です。もともとの要素数が少ない場合はそちらの方が高速になる場合もあります。

JSON from Dictionary / Export JSON (Beta)

 この2つのブロックを組み合わせることでJSONファイルを作成することができます。
現状では1対1の組み合わせで、値は文字列に限られます。

ブロックの更新

 メッシュ作成のパフォーマンス向上のため以下のブロックのバージョンが更新されています。
古いバージョンは非推奨となり、再実行にはアップデートが必要となります。

  • Remesh Surface (Ver1.2)
  • Remesh Surface with Cyclic Symmetry (Beta Ver 1.1)
  • Topology Optimization (Ver 1.1)
  • Field Optimization (Beta Ver 1.1)
  • FE Volume Mesh from CAD (Ver 1.3)
  • Single Topology Optimization (Ver 1.1)
Topology Optimization (Ver 1.1) / Field Optimization (Beta Ver 1.1)

 オプション入力にMove Limitが追加されました。
各計算ステップの間で変動する設計変数の最大値を、0~1の割合で制限します。
小さい値は安定した形状変化をもたらしますが収束率は低下します。
未指定の場合、与えられた問題設定に適切な値が自動的に使用されます。

Field from Point Map (Ver 1.1)

 Extrapolation入力が廃止され、Interpolationに統一されました。
選択肢はBarycentricかNearestの2択になっています。

旧バージョン

新バージョン

 旧バージョンにおけるExtrapolation : Noneと同様に点群の外側のフィールド値を無効としたい場合は、下の図のようにポイントマップのポイントリストからDelaunay Volume Meshを作成し、プロパティ内のインプリシットモデルとIf-Elseブロックを使用してその境界の外側の値を0にします。

Radial Basis Field from Point Map (Ver 1.2)

 こちらも同様にExtrapolation入力が廃止されました。

Export Implicit Body

 Beta版から正式実装となりました。合わせてEOS社製3Dプリンターにメッシュを介さずインプリシットモデルを直接引き渡すEOSPRINTプラグインも正式実装となります。

ユーザーインターフェースの更新

右側パネルDisplayタブ関連
  • CADモデルブロックにおいてDisplay Modeから”CAD Color”を選択できるようになりました。拡張子”.CATPart”や”.sldprt”など、CADツールのデータをインポートしている場合は元のツールで設定された色がモデルに反映されます。
  • 荷重や拘束など、解析用シンボルの色をDisplay Mode>Custom Colorから自由に選択できるようになりました。
  • ユニットセルとセルマップの表示メニューが右側パネルDisplayタブに移動しました。
ビューポート関連
  • 選択されているモデルのハイライトがブロックのハイライトと同色になりました。
  • ビューポート内の右クリックで表示関連メニューが表示されるようになりました。
    (モデルに対する従来の右クリックメニューは上段に表示されます)

主な更新内容は以上です。その他マイナーな更新やバグ修正も行われています。

より詳しい内容はnTopのヘルプをご確認ください。
導入のご相談やデモの希望など、nTopに関するご質問はお問い合わせまでお願いいたします。

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