みなさま、こんにちは。nTop(旧nTopology)サポートの川浦です。
2025年4月のアップデート内容をご紹介します。
Windows11を正式にサポートするようになった他、曲線と2Dプロファイルの仕様が大きく変更され利便性が向上しました。従来のワークフローでこれらを使用していた場合は見直しが必要となる場合がありますので、是非ご確認ください。
Version 5.17
ブロックの更新
Export CFD Mesh
複数の境界に重複する面が含まれている場合、エラーではなく警告を表示して実行できるようになりました。
Version 5.18
ブロックの更新
Topology Optimization
Constraintsはオプションとなり、制約リストがない状態でも実行可能になりました。
デフォルトでは空のリストブロックが挿入されているため、手動で削除する必要があります。

Version 5.19
Windows11への正式対応
これまでWindows11でも特に問題なく動作していたかと思いますが、本バージョンから正式にサポートされるようになりました。
引き続きWindows10でも動作いたしますが、今秋でMicrosoft社がWindows10のサポートを終了する予定となっており、それに伴いnTopのサポートも終了いたしますのでご注意ください。
Version 5.20
曲線及び2Dプロファイルの仕様変更
曲線及び2Dプロファイルのデータ構造が抜本的に変更となり、既存のブロックの統廃合、名称変更がいくつかあります。詳細はこちらの記事をご参照ください。
特にSection Bodyによる断面形状取得やExtrude Profileによる押し出しを利用していた場合はブロックを更新するとワークフローの見直しが必要になる可能性がありますのでご確認ください。
要点を以下にまとめます。
曲線
- 曲線にはLine(直線)、Arc(円弧)、Spline(スプライン曲線)及びそれらを繋ぎ合わせたPolycurve(ポリカーブ)という4つの型あります。
- この4つの型はまとめてCurve型のグループに属します。
- Curve型は距離フィールドとして直接表示・利用できます。また、プロパティ内に始点からの長さのフィールドを持っています。



平面プロファイル
- 2Dプロファイルは同一平面上にある単一または複数の曲線(Polycurve型)で構成されます。
- 曲線が閉じている場合は厚さのないインプリシットモデルとして内側が負となる距離フィールドを持ちます。
- 閉じていない曲線の場合、内側と外側は自動的に判別されます。
- プロパティ内には面からの距離フィールドを持ちます。
閉じた曲線と開いた曲線の組み合わせによるプロファイル



以下はフィールドを活用した例です。
曲線に太さを与える

2Dプロファイルに厚さを与える(閉じた曲線で構成されている場合のみ)

ブロックの追加
Arc by Tangent
始点と接する接線のベクトル、及び終点から円弧を作成します。

polyline
点群を直線で結びます。

Polycurve from Curves
複数の曲線を繋ぎ合わせ一つの曲線にします。始点もしくは終点の座標は共有されている必要があり、分離している場合とエラーになります。

Profile from Curves
複数の曲線から2Dプロファイルを作成します。(上述)
Extrude Cut
対象のインプリシットモデルを2Dプロファイルの形状でくり抜きます。
これにより、単純に貫通穴をあけたい場合は別途大き目のインプリシットモデルを作成してブーリアン演算を行う必要がなくなりました。
ドラフト角を指定することも可能です。

Get CAD Faces by Name
CADファイル内で定義された名前からサーフェスを抽出します。同名であれば複数のサーフェスをリストとして取得することができます。
ブロックの更新
ほとんどのブロックは変数の型が変わったのみで操作感に違いはありませんが、以下の2つのブロックだけご留意ください。
Regular Polygon
Radius値で定義される円に対して外接するか内接するかを選択できるようになりました。
Extrude Profile
押し出し方向の指定はオプションとなり、デフォルトは2Dプロファイルの法線方向になります。
また、双方向への押し出しとドラフト角の設定が可能になっています。

以下のブロックは非推奨となりました。代替手段を合わせて記載します。
- Implicit Body from Curve
(曲線のプロパティからフィールドを参照します) - Twisted Sweep Profile
(Sweep Profileに統合されました) - Offset Profiles
(プロファイルをoffset Body等で厚くした上で断面を取得します) - Loft between Profiles
(2つの2Dプロファイルを立体化させ、Mixで変化させます)
Loft between Profilesの代替手段参考

Version 5.21
ブロックの追加
Temporary Directory
一時フォルダを作成します。デフォルトのインストール環境では下記の場所です。
C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Temp\nTopology\Working
Remove Temporary Directory
一時フォルダを削除します。
Get Environment Variable
環境変数を取得します。例えばHOMEと入力すればホームディレクトリのパスが返されます。

例えば下記の例では、一時フォルダを作成しホームディレクトリにあるbatファイルを実行した後、一時フォルダを削除します。

ユーザーインターフェースの改善
- フィールドビューアーのReset Sizeボタンを押すと、大きさだけでなく中心位置が現在の画面の中心に合うようになりました。

- 2Dプロファイルの右パネルDisplayタブに塗りつぶしのオンオフチェックボタンが追加されました。

主な更新内容は以上です。その他マイナーな更新やバグ修正が行われています。
より詳しい内容はnTopのヘルプをご確認ください。
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