作業の様子

製品活用事例CASE STUDY

2025.01.20

Raytech & Hoet 様

チタン製の眼鏡フレームを金属3Dプリンターで製造

Source: Hoet

Short Summary

課題:

  • お客様のご要望に応じた、デザイン性に優れたアイウェアシリーズの製造

解決方法:

  • EOS M 290を使用し、3Dプリンティング技術でチタン製の眼鏡フレームを制作

結果:

  • 魅力的なデザイン:新たなデザインの可能性
  • カスタマイズ:オーダーメイドでの生産が容易かつコスト効率が良い
  • -40%の余剰在庫:オンデマンド生産で、業界で頻繁に発生していた過剰生産を排除

本記事は、EOS社の活用事例を和訳したものです。

AM技術で新たなアイウェアのデザインを

消費財メーカーも他の業界と同様に、技術革新に注力しています。

顧客獲得の競争が非常に激しいため、革新的なアイデアや手段を持つことが成功の鍵となっています。

更に、機能性に加えて見た目の美しさも重要視されるのが消費財業界の特徴と言えます。

アイウェアの開発・製造を専門とするHoet社は、新たなデザインの可能性、コスト、そしてサステナブルなモノづくりという3つの課題を解決できる方法を模索し、アディティブ・マニュファクチャリング(AM)技術に着目しました。

Hoet社は、AMの経験がある企業との共同製作が効果的であると判断し、経験豊富なパートナーを探しました。その結果、金属加工の専門であり、EOSユーザーでもあるRaytech社にたどり着きました。

Raytech社はAMに関する専門知識と長年の経験を持ち合わせていました。

材料はEOSのチタン材料であるEOS Titanium Ti64を使用しました。

チタンは高強度でありながらも、高い柔軟性と軽量性を兼ね備えているため、メガネフレームにはよく使用される材料でもあります。

結果

デザイン

フレームに施された繊細な格子構造は、AM技術だからこそ実現できたデザインとなりました。

また、適切なソフトウェアと3Dスキャナーさえあれば、個人に合わせたカスタムメイドのメガネフレームを製造することも可能で、アイウェアの快適性が劇的に向上します。

Source: Hoet

コスト

3Dプリンター1台で、様々なサイズのものを迅速かつ簡単に製造できました。そのため、金型をいくつも用意する必要がなく、コストが削減されました。

サステナブル

従来は、生産された眼鏡のうち30%~40%は卸売業者や小売業者の手元に売れ残ることが普通でした。

しかし、AM技術ではオンデマンド生産が可能であるため、余剰在庫を抱える必要がなく、生産コストと保管コストの両方を削減することができました。

開発リードタイムの短縮

AM技術を活用することで、製品の設計から小売店への納品までの時間が大幅に短縮されました。

数日で在庫の追加製造ができるため、需要に応じた生産も可能になりました。

Source: Hoet

「私たちがAM技術を選んだ理由は3つあります。1つ目は、従来の製法ではできない物を作ることができたこと。2つ目は、様々なサイズのものを追加コストなしで製造できること。そして3つ目は、エネルギーと材料の両方の消費を削減できるグリーン技術であること。」

“We had three reasons for choosing Additive Manufacturing for our new eyewear frames: We were able to create things in a way that would not have been possible with standard technologies. We could manufacture various sizes without incurring additional costs. And it is a green technology that, thanks to its flexibility, clearly reduces consumption of both energy and materials.”

Patrick Hoet, Managing Director of Hoet

「EOSはAMにおける最良のパートナーだと思っています。特に、光学分野とチタン材料のスペシャリストにすぐ連絡を取れたことに感銘を受けました。彼らの知識と、迅速に製作された高価値のテストサンプルとが相まって、正しいパートナーを選んだと確信しました。」

“In our opinion, EOS is the best partner that we could work with in the Additive Manufacturing sector. We were particularly impressed that we had immediate access to contacts with a high level of competence in the optical sector and with regard to the titanium material that we use. This basic knowledge, coupled with the quickly produced, high value test samples, convinced us that we had made the right choice of partner.“

Paul Raymaekers, Owner and managing director of Raytech

EOSユーザーであるRaytech社との共同エンジニアリングを経て、Hoet社は革新的で魅力的なアイウェアのデザインを生み出し、AM技術によるオンデマンド生産で、業界の課題となっていた40%の余剰在庫を無くすことに成功しました。

製品紹介

EOS M 290

2014年の発売以来、2,000台以上の設置実績がある
金属粉末積層造形機の世界トップシェアモデル

EOSの金属3Dプリンターのスタンダードモデルであり、ベストセラー機。優れたガスフローと先進的なレーザー照射ロジックによる安定したプロセスを確立したことで、高い再現性と均一性を実現したシステムです。

EOS M 290は多くのユーザー様に選ばれ、2021年度のEnterprise 3D Printer of the Year (Metals) Awardを受賞しています。

Source: EOS

企業情報

Raytech

Raytech社は1988年以来、金属加工を専門としてきたベルギーの企業である。当初は高精度レーザー切断・溶接分野のパイオニアとして知られていたが、現在では積層造形と共同エンジニアリングにおける技術革新の牽引役へと発展している。

www.raytech.be

Hoet

1884年以来、Hoet社は現代デザインの代名詞となっている。眼鏡に加えて、アクセサリーも製品ポートフォリオの重要な部分を占めている。

www.hoet.eu/en


(株)NTTデータ ザムテクノロジーズでは、

3Dプリンター、用途開発、受託製造、金属材料開発など、

3Dプリンティングに関する質問やお問合せを受け付けております。

会社概要​COMPANY

  • 会社情報​ABOUT US

    VISION:AMをものづくりのあたりまえに
    MISSION:AMの実践者であり先導者として、産業化されたAMプロセスを実現する

  • 製品・サービス​SOLUTION

    AM装置の販売からメンテナンス、受託生産、ソリューション開発に至るまで、
    AMに関するさまざまな事業を展開しています。