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2026.06.22

3Dプリンターに使用されるレーザーの分類や呼称

 当社が販売しているEOS/AMCM社の3Dプリンターは、Laser Powder Bed Fusion (L-PBF)方式に大別されるレーザーを使って造形します。
3Dプリンターの仕様などを話すときに「***レーザー」という様々な呼称をよく耳にすると思いますが、今回はそれらの分類の仕方や呼称の代表的なものをご紹介します。

そもそも「レーザー」とは

レーザー光とは、波長が揃い、指向性に優れ、波長の周期も揃っている電磁波のことを指します。
レーザーは、エネルギーを与える光源と、光を作る媒質でできています。光源がエネルギーを与えると媒質が光を出し、その光が媒質の中で同じ光を増やしながら強くなっていきます。一般的なレーザーでは、両端にあるミラーの間を光が行き来することで、この増幅が繰り返され、強い光になります。

レーザー媒質による分類

レーザー媒質には、気体、液体、固体など様々な種類があります。たとえば気体レーザーにはCO2やアルゴン、ハロゲンなどのガスが使われており、液体レーザーには有機溶剤に色素粉末を溶かしたもの、固体レーザーにはYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)、ルビーなどが一般的に使われています。
EOS/AMCMの金属3Dプリンターには、イッテルビウム(Ytterbium, Yb)という希土類が添加された石英ガラスの光ファイバーを媒質としたファイバーレーザーを使用しています。ファイバーレーザーは、媒質の分類としては「固体」ですが、光の増幅の仕組みがミラーの反射でなく、細いファイバーの中で高効率に行われます。一般的な固体レーザーであるYAGレーザーのエネルギー変換効率が3%に対し、ファイバーレーザーは30~35%と言われており、非常にエネルギー変換効率が高いことが分かります
そのため他の固体レーザーと性能差も大きく、別カテゴリーとして扱われるのが一般的です。
また、EOS/AMCMの樹脂3DプリンターにはCO2を媒質とした気体レーザーが使われています。特徴としては媒質が均一で出力が安定的、固体レーザーが苦手とする樹脂などの非金属材料への加工に向いています。
EOS 金属3Dプリンターの造形の様子(Source:EOS)
EOS 樹脂3Dプリンターの造形の様子(Source:EOS)

波長による分類

光の波長は、紫外域(380nm以下)、可視域(380nm-780nm)、赤外域(780nm以上)に分類され、レーザーの波長は媒質により決まります。
人が目で感知できる可視域のうち、波長の短い光は紫色として、波長の長い光は赤色として人間の脳に認識されます。身近なところでは、紫色に見える波長の短い領域は化学作用が強く、殺菌や日焼けなどに関係しています。また赤色に見える波長の長い領域は熱作用が強く、ヒーターなどの加熱機器に利用されています。
波長の分類
EOS/AMCMの金属と樹脂の3Dプリンターに使用されている波長はどちらも赤外域にあり、金属3Dプリンターに搭載されているファイバーレーザーの波長は1,030-1,100nmで、近赤外線です。一方、樹脂3Dプリンターに搭載されているCO2レーザーの波長は10.6µm (10,600nm)で、遠赤外線です。物質は光の波長により吸収・反射・透過がしやすかったり、しづらかったりします。そのため照射する対象物や用途によって、レーザーは使い分けられています。

レーザーの発振方式、パルス幅による分類

レーザーの発振方式には、連続的に一定出力のレーザー光を照射する「連続発振」と、短時間に発振を繰り返す「パルス発振」の2種類があります。なかでも非常に短いパルス幅を持つ超短パルス幅のレーザーは、超微細加工や極小径の穴あけなどの加工用装置によく使われており、ナノ秒レーザー(10億分の1秒)、ピコ秒レーザー(1兆分の1秒)、フェムト秒レーザー(1000兆分の1秒)などが存在します。
EOS/AMCMの金属3Dプリンターは基本的には連続発振ですが、微細な造形を行う際にオプション機能でパルス発振にすることも可能です。
パルス発振による微細造形については、過去の記事で実例を交えて解説しています。ご興味のある方は、ぜひご覧ください。
参考:EOSが取り組む金属3Dプリンター技術開発のご紹介(微細形状、生産性向上、サポートフリー)

半導体レーザー

これまでご紹介したレーザーは、いずれも「光を生み出す仕組み」や「光の性質」という観点から分類・説明してきました。一方、半導体レーザーは成り立ちそのものが他のレーザーと大きく異なるため、これらの分類には当てはめにくく、通常は個別に扱われています。
固体、気体、液体レーザーでは、光源(励起源)で媒質にエネルギーを与え、媒質の中で光を増幅してレーザー光を得ます。これに対して半導体レーザーは、半導体に電流を流すことで直接レーザー光を発生させることができ、光源と媒質が一体化したデバイスです。この点が、他のレーザーとの大きな違いです。
また半導体レーザーは、高効率で小型な光源として、固体レーザーやファイバーレーザーの「励起用光源」として広く使われていて、EOS/AMCMの金属3Dプリンターが使用するファイバーレーザーの光源も半導体レーザーです。そのほか光通信やディスクの読み取り装置、プリンター、距離計測などでは、半導体レーザーそのものが主レーザーとしても使われています。
このように半導体レーザーは、「他のレーザーを支える光源」と「主役として使われるレーザー」の両方の顔を持つ、独特な存在と言えます。
以上のようにレーザーにはたくさんの種類があり、EOS/AMCMの3Dプリンターをはじめとした工業向け以外にも、医療や通信、身近な家電製品など数多くの用途で使用されています。レーザーは、照射する対象物との相性、求める加工精度、導入時のコスト、ランニングコスト、安全性など、それぞれの用途で求められる様々な要求に合わせて選択されています。
EOS/AMCMの3Dプリンターについてご興味がありましたら、ぜひお問い合わせください。
文中のワードについて。
「L-PBF方式」とは、産業用3Dプリンターで最も一般的なLaser Powder Bed Fusion(粉末床溶融結合法)とよばれる技術で、材料となる金属や樹脂の粉末をレーザーで溶融させる、溶接技術の一種です。

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