今回は、ちょっと変わり種のブラストのご紹介をします。
以前、某TV番組でその威力が紹介されていましたので、金属積層造形品に使用したらどのような結果になるのか試してみました。
参考になればと思い、記載させて頂きます。
金属粉末積層造形(金属AM/金属3Dプリンター)部品は、造形後の表面に多くの半溶融された粉末が付着しています。一般的にこの付着物を除去する工法として金属球、ガラス、ジルコン、SiC(炭化ケイ素/シリコンカーバイト)等のメディアにて、ショットブラスト処理を施行する場合があります。しかしながら、金属積層は複雑な形状が製造できるが故にブラスト処理を行なうと、メディアが内部に詰まったりするため、製品の用途によっては上記のメディアが使用できないことがあります。
今回使用したドライアイスブラストはメディアがドライアイスペレットであるため、小さい隙間などに吹き付けて付着物を除去した後、蒸発してなくなるため小さい隙間等に詰まることはないことが特有です。今回は試しにラティス構造と、10mmのキューブ(立方体の試験片)にドライアイスブラストを施行しました。
下の写真は、ラティス構造体を造形し、100倍レンズで拡大した写真です。 形状に多くの粉末が付着していることが分かります。
これをドライアイスブラストしてみることで、次の写真のように大幅に粉末付着が減少していることが分かります。
同じようにキューブの表面に施行した後、レーザー顕微鏡で測定してみると平滑になっていることが分かります。 数値としては、Ra10μmが7μmになりました。
結果としては、未溶融粉末除去のクリーニングや表面粗度向上にお役に立てそうです。