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2022.07.13

nTopology アップデート内容(5, 6月)【3Dプリンター向け設計ソフト】

みなさま、こんにちは。開発部の川浦です。
5, 6月のnTopologyアップデート内容をお知らせいたします。
これまでのデザインプロセスに対して影響の大きなものが含まれますのでご確認ください。

Version 3.26

ラティス構造作成手順の刷新

これまでβブロックとなっていた、セルマップとユニットセル(単位形状)の組み合わせによるラティス構造の生成方式が正式実装となり、従来の方法は非推奨となりました。詳細を解説します。

(※従来のブロックもしばらくは使用することができます。File>Settings>Generalから”Show deprecated blocks”にチェックを入れてください)

従来のVolume Latticeブロック
新しいRectangular Volume Latticeブロック
ラティスパターン

従来はUnit typeからラティスパターンを選択していましたが、新しい方式ではUnit cellGraph Unit Cellブロックを入力し、そこからラティスパターンを選択します。

ラティスの太さ

従来は全体のラティス形状を定義したあと、太さは別のブロックで定義する必要がありました。新しい方式では1つのブロックで完結します。

基準位置

従来はユニットセルの中心座標とボリュームの中心座標が一致するようになっており、Positionの入力値でオフセットをかけることができました。
新しい方式ではユニットセルの最小座標とボリュームの最小座標が一致するようになっています。オプションのFrameを変更することで基準位置(ユニットセルの最小座標が置かれる位置)を自由に指定し、角度を変更することができます。

トリミング

従来はボリュームに対してはみ出すかどうかの選択があるのみで、セルは途中で途切れないようになっており、ボリュームの形状に合わせてトリミングしたい場合は一旦全てはみ出すように設定してからBoolean Intersectionブロックを使用する必要がありました。
新しい方式ではTrim入力にチェックが入っている場合(デフォルトでON)、ボリュームの形状でトリミングされます。

TPMS

上記のように既定のラティスパターンの場合はUnit cellGraph Unit Cellブロックを入力しますが、(Walled) TPMS Unit Cellブロックを使用することでTPMSパターンも同様に定義することができます。
従来の(Walled) TPMSブロックは原点座標を基準としたパターンに限定され、位相や向きの調整方法が煩雑でしたが、新しい方式ではラティスとまったく同じように扱うことができます。

独自形状

Unit cellCustum Implicit Unit Cellブロックを入力することで独自のユニットセル形状を定義することも可能です。

太さ以外のパラメータ

ブロックの入力型パターンにより、Unit cellに入力できるブロックの種類が変わります。Mid-surface offsetApprox. bias lengthから名称が変わりました)付きのWalled TPMSを利用したい場合は、最下段の2 Parameter Unit Cell型が入力にあるものを選びます。これにより、太さとオフセットの2つのパラメータが入力可能になります。
独自形状ユニットセルの場合はいずれのパラメータも入力できないため、最上段のNon-Parametric Unit Cell型が含まれるパターンを選びます。

セルマップ

単純に指定したボリュームをラティスで満たす場合はRectangular/Cylindrical/Spherical Volume Latticeブロックを使用すれば問題ありません。セルマップについては省略されます。
CADモデルのサーフェス上やサーフェス間に沿ってラティス構造を定義したい場合や、変則的なセル配置をしたい場合はPeriodic LatticeブロックとRectangular/Cylindrical/Spherical Cell Mapブロックを組み合わせます。Cell MapブロックはTrim Cell Mapブロックでセルの配置を限定したり、Warp Cell Map (β)ブロックで歪ませることができます。

Trim Cell Mapブロック
Warp Cell Mapブロック

ブロックをその場で検索

これまではブロックを検索してノートブックの途中に挿入する場合、最上部の検索バーを使用する必要がありましたが、挿入ラインの右クリックメニューもしくは単にSキーを押すことでその場でブロックの検索・挿入ができるようになりました。

変数の探索

ノートブックが長大になると、変数がどこで定義されているか見失うことが多々あります。変数チップの右クリックメニューからGo to Blockを選択すると、その変数を定義しているブロックへジャンプすることができます。

モデルのライティング仕様の変更

ラティスやTPMSの形状が立体的に認識しやすくなりました。

カメラコントロールの仕様変更

マウス操作によるモデル回転の際、回転の中心位置が表示されるようになりました。また、スクロールによるズームの際、マウスの位置に向かってズームするようになりました。

CADツールとのカメラコントロール共通化

カメラの操作を代表的なCADツールと共通にすることができます。Settings>General>Camera control mappingのドロップダウンリストから選択してください。対応するCADツールは以下になります。

  • Solidworks
  • NX
  • Creo
  • CATIA

Version 3.28

インプリシットモデルからCADモデルへの変換

CAD Body from Implicit Body

メッシュを経由せずインプリシットモデルから直接CADモデルに変換するブロックが実装されました。ある程度複雑な形状にも対応しますが、試験的βブロックとなりますのでご注意ください

その他マイナーな更新やバグ修正が行われています。詳細はnTopologyのヘルプをご確認ください。
導入のご相談やデモの希望など、nTopologyに関するご質問はお問い合わせまでお願いいたします。

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