弊社では造形品の肉厚を測定するために、磁気式板厚測定器と超音波式板厚測定器、 機械式板厚計の3種類を使用して測定しています。
ただの板形状であればATOSや3次元測定機、ノギス、マイクロメーターなどで十分ですが、
3Dな形状、つまりパイプ状の物を曲げたような製品や、意図的な内部空洞など計測器がアクセスできないような形状の時、
磁気式板厚測定器や超音波式板厚測定器が活躍します。
磁気式板厚測定器
磁気式板厚測定器は検査用鋼球を内部に投入し、計測器の磁気プローブで製品の板厚を挟んでホールドし、プローブと鋼球の距離を
板厚として測定します。プローブが当てられる場所であれば基本どこでも測定が可能なのがメリットで、デメリットとしては厚物
検査には不向きなところがあります。5mm程度までの板厚であれば精度よく測定が可能です。
超音波式板厚測定器
超音波式板厚測定器は字の通り、超音波エコーを利用した非破壊検査で超音波の音速を利用した測定になります。
磁気式と異なり、5mm~10mmの板厚でも測定が可能ですが、プローブを製品に接触させる際、専用のジェルを使用しなければ
ならないため、製品にジェル跡がつき、洗浄する必要があるのがデメリットでしょうか。
測定器の使い分け
弊社では板厚検査は要求に合わせて検査しますが、薄いものは磁気式板厚測定器、厚いものは超音波式板厚測定器といった風に
使い分けをして測定しています。
弊社では大きく分けると2つの目的の検査を実施しています。
●サポート除去部分の板厚に要求公差があるときの測定
●サポート部分でない板厚部分の測定
自由形状でどこを検査するかは我々でポイントを決定し、
測定場所がわかるように専用の検査治具を樹脂3Dプリンターで製作し、検査をしています。