図1は金属AM(金属3Dプリンター)で造形された金属試料です。表面をキレイに研磨されてピースが鏡のように映っています。
この試料は一見すると傷や穴などが無いように見えますが、顕微鏡を使ってアップで見ると何が見えてくるでしょうか。
前回は金属資料の研磨についてお話ししました。今回は研磨した試料の観察をしていきましょう。
金属試料の表面を観察するために図2のような光学顕微鏡を使用し、試料の良し悪しを判断するために欠陥の種類、大きさ、数を観察していきます。図3は冒頭の図1と同じ金属試料を顕微鏡で500倍まで拡大したものです。図1ではキレイに見えていましたが、これだけ拡大すると欠陥を観察することが出来ます。
図4のように欠陥がはっきり見える大きさまで拡大して、欠陥の数をカウントし、金属表面の充填率を算出します。充填率が100%に近いほど欠陥が少なく、条件の良いパラメータと言えるでしょう。これは強度や硬度に関わる重要な数値なので、充填率は99%以上を目指します。
最後に、図5の充填率99%以上の金属試料の表面を見てみましょう。
金属試料の観察では、充填率を確認するほかに、造形時に金属を溶融したレーザーの軌跡も観察します。
次回は、その軌跡を観察をする 試料断面の研磨と観察 エッチング編 です。