みなさま、こんにちは。nTop(旧nTopology)サポートの川浦です。
2024年1, 2月のアップデート内容をご紹介します。下側パネルに表示できる項目の追加、ワークフローから外部ツールを実行する機能の追加、CADモデルから解析用メッシュを作成する機能の強化などが行われています。
Version 4.17
ユーザーインターフェースの更新
- トポロジー最適化の計算過程を示すプロットは右側パネルのDisplayタブに移動しました。
- さらにプロットをクリックすると下側パネルに表示されます。
- ポイントマップの他、スカラー値やベクトル値、CADボディなど、離散的な数値もしくはテキストのリストは右パネルの「View Data」ボタンをクリックすると下パネルに一覧が表示されます。
- 下側パネルはショートカットCtrl+3で開閉できるようになりました。
ブロックの追加
Extract Optimization History (Beta)
トポロジー最適化の結果から、反復計算の過程で得られた目的関数と制約条件の値のテーブルを作成します。
Run Command (Beta)
nTopから外部コマンドを実行するブロックです。以下のような使用例があります。
(実装方法のサンプルはこちらをご確認ください)
- CADファイルを1つ選択し、フォルダ内の同じ種類のファイルを全て読み込む
- Pythonスクリプトを実行し、nTopでの解析結果のグラフをプロットする
- FEメッシュをエクスポートし、Fluentでの解析が終わり次第結果をインポートする
よりセキュアに実行するには、実行許可の設定をメニューのSettings>Dataから行うようにしてください。
Version 4.18
ブロックの追加
Add Draft (Beta)
射出成型パーツのメッシュモデルに抜き勾配を付加します。Demold Constraintを使用したトポロジー最適化形状への適用を推奨します。
Transform Material
応力テンソルではなくベクトルフィールドを使用して異方性材料を定義します。
Await
指定したブロックの処理が終わるまで出力(他のブロックの実行)を待機します。Run Commandブロックと組み合わせることで、例えばメッシュのエクスポートを待ってから外部ツールで解析を行うなどの制御が行えます。
Version 4.19
ブロックの追加
FE Volume Mesh from CAD
CADモデルから直接、解析やトポロジー最適化に使用するFEメッシュを作成します。このブロックの実装に伴いツールキット(カスタムブロック)のFE CAD Solid Meshは非推奨となりました。ただし内部的に実行していることは変わっておらず、処理過程でメッシュの自己交差が発生するとエラーとなるため入力値の調整が必要です。
このブロックの特徴はCADモデルとFEメッシュの紐づけが行われていることです。荷重を定義するブロック(Forceなど)を使用する際にFEメッシュから境界面を抽出する作業を省き、CAD面の変数をそのまま境界として使用することができます。
↓これまではメッシュから境界面を抽出したうえでForceに入力する必要がありました
↓CAD面をそのままForceの境界面として使用可能になります
Version 4.20
ユーザーインターフェースの更新
- ホーム画面からRecent Files(最近使用したファイル)を開くことができるようになりました。
ブロックの追加
Natural Frequency Constraint
最適化に固有振動数の制約を追加します。(これまで目的関数のブロックしかありませんでした)
ブロックの更新
FE Region / FE Baoundary
プロパティから、抽出しているメッシュ領域の形状及び元になっている親FEメッシュを参照できるようになりました。
Point Force / Point Moment
Connector入力が追加され、Rigid(RBE2)かFlexible(RBE3)かを選択できるようになりました。
主な更新内容は以上です。その他マイナーな更新やバグ修正が行われています。
詳細はnTopのヘルプをご確認ください。
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