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2023.12.04

nTop 10月のアップデート内容【3Dプリンター向け設計ソフト】

 みなさま、こんにちは。nTop(旧nTopology)サポートの川浦です。
10月のアップデート内容をご紹介します。条件分岐ブロックが試験実装され、よりプログラミング的な設計が可能になりました。

Version 4.11

ブロックの更新

メッシュとCADのリンク

 以下のブロックがβバージョンから正式リリースとなりました。
解析において同一形状のFEメッシュとCADモデルを関連付け、境界定義の手間を簡略化することができます。

  • Associate FE Mesh
  • Region by Body
  • Boundary by Body

 関連して、CADサーフェスを入力とする以下のブロックも正式リリースになりました。

  • Force
  • Displacement Restraint
  • Bearing Force
  • Convection Boundary Load
  • Point Force
  • Point Moment
  • Point Restraint
  • Pressure
  • Structural Bonded Contact
  • Surface Force
  • Surface Heat Flux
  • Temperature Restraint
  • Thermal Bonded Contact
  • Cylindrical Restraint
変数化された最適化ブロックの収束グラフ

 変数化されると表示できなかった最適化の収束グラフが表示されるようになりました。

Version 4.12

ブロックの追加

Min Feature Size Constraint (Beta) / Max Feature Size Constraint (Beta)

 トポロジー最適化における最小部材寸法及び最大部材寸法の制約ブロックです。
構造が途中で途切れてしまうことや、肉厚が厚くなりすぎることを抑制できます。

Min Feature Size Constraint使用例
Max Feature Size Constraint使用例

ユーザーインターフェースの更新

ブロックの右クリックメニュー
  • 「Display」サブメニュー追加(いくつかの項目がこの中に移動しました)
  • 「Add Block」追加
  • 「Export」が有効な場合、後ろにタイプ名を追加
  • 「Make Model Input」を「Make Notebook Input」に変更
  • 「Copy Selection」を「Copy」に、「Rename Output/Variable」を「Rename」に変更

Version 4.13

ユーザーインターフェースの更新

右パネルの情報追加

 Informationタブにブロックのバージョン、Displayタブにオブジェクト名とタイプの表示が追加されました。

ローカルキャッシュオプション

 CADパーツやメッシュ等のインポートブロックにおいて、右クリックメニューの「Cache Locally」オプションでインポートしたデータのキャッシュをnTopファイル内に保存するかどうかを選択できるようになりました。デフォルトではオンになっています。

 オンの状態でnTopファイルを保存した場合、インポート元のファイルパスに変更があったりファイルが削除されていてもキャッシュデータを参照するため、次にnTopファイルを開いた際にも影響はありません。(従来通り)
オフの場合はnTopファイルを開くたびにインポートしなおすことになりますがnTopファイルサイズは軽くなります。

ブロックの追加

If-Else (Beta)

 条件によって出力を変更できるブロックが試験実装されました。
エラーの回避や計算コストの削減、フィールドの計算に応用できます。

 入力がスカラー値の場合の具体的な動作をご紹介します。
下の図はSizeパラメータが10mmより大きい場合は球を、10mm以下の場合は立方体を返すサンプルです。

 メッシュのプロパティを参照して、メッシュ数が一定値以上であればSimplify Meshを実行するなど、
ワークフローの分岐が主な使用方法になるかと思います。

 続いて入力にフィールドを使用した例をご紹介します。
下の図は軸の距離フィールドと、中心をずらしたトーラスのインプリシットモデルです。

 インプリシットモデルは境界面を0とし、ソリッド部が負の数になる距離フィールドそのものです。
すなわちIf-Elseブロックに「インプリシットモデルが0mm以下」という条件を入れると、
ソリッド部と空間部で異なる値を返すことができます。

 ここではトーラスの内部が1、外部が0になる2値フィールドを返しています。
このフィールドと軸フィールドを掛け合わせることで、トーラスの形状に軸フィールドをトリミングしています。

 フィールドドリブン設計において、圧力フィールドを参照したい領域と温度フィールドを参照したい領域を分けたいとき
などに応用できるかと思います。

その他マイナーな更新やバグ修正が行われています。

詳細はnTopのヘルプをご確認ください。
導入のご相談やデモの希望など、nTopに関するご質問はお問い合わせまでお願いいたします。

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