みなさま、こんにちは。nTopサポートの川浦です。
5月上旬に”nTopology”が”nTop”となりましたが、ここではそれから6月末までの更新内容をご紹介します。
待望のEOS社製3Dプリンターとの連携機能が試験実装されましたので是非ご注目ください。
Version 4.1
型の扱い方の変更
一般的なプログラミングのように、nTopでもInt型を始めとしてImplicit Body型やMesh型など様々な「型」を持ったデータをブロック(関数)の入出力に使用します。この型の入出力仕様に変更があり、ここでは従来からの操作に影響がありそうな部分についてご紹介します。
リスト型の入力
入力にリスト型を使用した場合、出力もリスト型に変化するブロックがあります。以前のバージョンではそのブロックが実行されるまで変化しなかったのですが、このバージョンからは入力時点ですぐに変化するようになります。
これだけでは今までと使用感は変わりませんが、注意して頂きたいのはブロックが予め変数化されている場合です。変数の型指定が優先されるようになったため、その型と整合性が取れなくなるような入力の型は使用できなくなります。使用したい場合は先に変数の型を適切なものに変更する必要があります。
下の図は非リスト型で変数化されているブロックに、リスト型のブロックを入力しようとした例です。
曖昧な型のプロパティ
Groupブロックなど、複数種類の型を含んだリストからList Elementブロックで1つの型を指定したとき、またはMaterialやSpactial 3D (Transformable)などの抽象的な型では、プロパティから詳細なパラメータを参照できなくなりました。
例えば下の図はSphereとPointの2つの型を含んだリストですが、List ElementブロックでSphere型を抽出してもList Elementブロック自体の型は変わらず、プロパティも参照できません。
ここでも変数化してから型を指定する必要があります。
また、ややこしいですがMaterial型に具体的な材質を入力してもプロパティが参照できません。
プロパティを参照するには、より具体的なIsotropic Material型である必要があります。
ブロックのオーバーロード仕様変更
同名で異なる入出力を持つブロックが、入力される型に応じて自動的に機能を切り替える際、これまでは一旦不要な入力値を削除する必要がありました。このバージョンからはデフォルト値であれば削除することなく切り替えが行われます。
ブロックを挿入した時点から入力値が変更されていないことが条件で、下の図のように一旦削除してから同じ数値を入力した場合は変更扱いとなります。
ノートブックの説明欄
これまで上部に固定されて場所を取っていましたが、スクロールでノートブックの内容と共に動くようになりました。
ブロックの更新
Natural Frequency Response (Version 1.0.0)
最適化の応答ブロックです。βから正式実装となりました。
Sweep Profile / Twsted Sweep Profile (Version 1.1.0)
精度と実行速度が向上しました。
Collapse Vertices
Collapse Lattice VerticesとCollapse Mesh Verticesが同一名のブロックとして統合されました。
Merge Graphs / Lattices / Meshes
入力型を変更することでそれぞれの型のブロックに切り替わります。例外的にブロック名の異なるオーバーロードのため、それぞれのブロック名で検索することが可能です。
Trim Lattices
Graph型を入力とするオーバーロードが追加されました。
Mesh from Implicit Bbody by DC
Mesh from Implicit BodyのVersion2.0より前である、メッシュ変換ロジックの異なるバージョンを別名のブロックとして分離しました。
Version 4.2
nTop Automate for Linux
コマンドラインからnTopを使用し、自動化や実験計画法に活用できるnTop Automated (旧:nTop CL)がLinuxに対応しました。こちらは有償オプションとなります。
UIの改善
- リボンのサイズが小さくなり、より多く表示されるようになりました。
- 現在表示されているリボンのグループタグが見えない場合、左右の矢印の下にブルーラインで表示されます。
- 長いコメントの折りたたみ/展開ボタンが追加されました。
ブロックの更新
Transient Thermal Analysis (Beta)
非定常伝熱解析用のブロックです。入力パラメータが刷新され、解析結果では経過時間が表示されるようになりました。
アクセスURLの変更
nTop起動時のクラウドライセンス認証やクラッシュレポートの送信など、アクセスの必要なURLのドメインがntopology.comからntop.comに変更となりました。プロキシサーバのフィルタリング設定等に影響がある場合があります。
詳細はこちらをご確認ください。
Version 4.3
EOS社製3Dプリンターとのシームレス連携機能(β機能)
メッシュモデルを介さずに直接インプリシットモデルを3Dプリンターに転送する機能が実装されました。これまでボトルネックとなっていた、メッシュへの変換時間と精度、ファイルサイズおよび転送時間の課題を一気に解決できる可能性があります。
※現在対応しているのはEOSPRINT (Version 2.14以上)のみです。
Export Implicit Body (Beta)
インプリシットモデルファイルを出力するブロックです。拡張子は.implicitになります。
下の図は同じラティス構造をメッシュ(STL)で出力した場合とImplicitで出力した場合のファイルサイズ比較です。
EOSPRINT用nTopプラグイン (Beta)
サポートに申請することで個別ユーザーアカウントページからダウンロードできるようになります。EOSPRINTバージョン2.14以上を使用していることの確認が必要です。
詳細はこちらをご確認ください。
異方性材料の定義ブロック追加
Anisotropic Material
剛性、熱特性の定義ブロックを組み合わせて異方性材料を定義します。密度にはフィールドを使用可能です。
- Anisotropic Stiffness Tensor
弾性係数テンソルにより異方性剛性を定義します。
- Anisotropic Thermal Property
- Anisotropic Thermal Expansion Property
同様に異方性熱特性、熱膨張特性を定義します。
ブロックの更新
Cylindrical Restraint (Version 1.0.0)
β版から正式実装になりました。軸の自動検出機能と堅牢性が向上しています。
Version 4.4
ショートカットキーの追加
- Ctrl + [
ノートブック左側のアウトライン、カスタムブロックバーを表示/非表示させることができます。
その他マイナーな更新やバグ修正が行われています。
詳細はnTopのヘルプをご確認ください。
導入のご相談やデモの希望など、nTopに関するご質問はお問い合わせまでお願いいたします。