作業の様子

TECH BLOGTECH BLOG

2023.07.26

不活性ガスフロー①【金属3Dプリンター】

 レーザーパウダーベッドフュージョン方式(LPBF方式/粉末床溶融結合法)のプロセスに欠かせない、重要なパラメータとしてレーザーパワー、スキャンスピード、ビーム間隔等が一般的に知られていると思います。造形機をお持ちの方は理解できると思いますが、それに匹敵する重要なパラメータとして不活性ガスを造形庫内に循環させているフロー(不活性ガスフロー)が挙げられます。これは、造形中に発生するヒューム(金属蒸気)を回収するために必要不可欠なプロセスになります。

金属AM造形におけるヒュームを回収するための不活性ガスフロー①
造形中に見えるヒューム
(手前側に流れてくる黒い煙のように見えるもの)
ヒュームを回収しなければいけない理由は大きく2つあります。


1つ目の理由として、
レーザーは光ですので、レーザー進行方向にヒュームが存在すると光が乱反射してしまい、本来のエネルギーが粉末に届かなくなります。

2つ目の理由として、
ヒュームを回収しないと、ヒュームは上昇気流により光学系のレンズに付着します。
これにより、レーザーのフォーカスにズレが生じ、これも本来のエネルギーの伝達を妨げる要因となります。


以上の理由から造形チャンバー内のガスフローはプロセスを安定化させるために非常に重要になります。

関連記事

会社概要​COMPANY

  • 会社情報​ABOUT US

    VISION:AMをものづくりのあたりまえに
    MISSION:AMの実践者であり先導者として、産業化されたAMプロセスを実現する

  • 製品・サービス​SOLUTION

    AM装置の販売からメンテナンス、受託生産、ソリューション開発に至るまで、
    AMに関するさまざまな事業を展開しています。