前回は、ビード1本についてお話しましたが、今回はビードの集合体のお話をさせて頂きます。
前述したように、金属積層造形機(金属3Dプリンター)における造形物はビードの集合体であり、緻密体を得るにはビードの間隔は重要なパラメータになります。下の写真は、試験用に造形した10mmの立方体の断面を光学顕微鏡で観察したものです。
このように無数のビードで造形物が形成されていることが分かります。 では、造形パラメータ(プロセスパラメータ)の開発で何を1番重視しないといけないかと言いますと。。。。
答えは分かりません。。。。というのも、お客様のニーズによって変わるからです。 品質重視(緻密)、生産性重視(スピード)、機械特性(組織制御)など、製品の使用用途によってパラメータを変更させることが必要になります。
例えば生産性を重視されるお客様に対しては、1層あたりの積層厚を厚くして照射回数を減らすことで造形のスピードを向上させます。 このとき1層あたりの材料の量が増えるため、材料に与えるエネルギーを増加させる必要があります。 そこから更に積層厚に対して、ビードの深さの比率を定量的に評価するといった、各条件に応じて分析をして最適なパラメータを開発しています。
照射面積によってはエネルギー過多になってしまうため、下の写真のように自社で考案したサンプルで造形の安定性を確認しております。