金属AM(金属3Dプリンター)の特徴として写真1のようなサポートがあります。
サポート自体は造形時には必要ですが、完成時には全く必要ではありません。このサポートを除去する時間というのは必要ですが無駄な時間とも言えるでしょう。この時間が短縮されると作業効率の向上にもつながるので、できるだけラクに、速くサポートを除去する方法をいつも考えています。
写真1 金属AM造形に必要なパーツを支える「サポート」
今回はその方法の一つとして、サポート除去でパーツの固定が必要な場合に使用する写真2の治具(EOS社製の樹脂3Dプリンターで作成)をご紹介します。
写真2 サポート除去のための樹脂製の治具
金属AMでの造形にみられる自由形状のパーツはバイスに固定する際、固定できるポジションを取りづらい時があります。また、強く固定すると傷をつけてしまう場合もあります。それを回避するため、この用意した治具でサポートがついたままの造形物を挟み込みます。写真3のようにぴったりハマるように設計しており、しっかりと保持できてバイスにも固定しやすくなりました。材質も樹脂のため金属パーツに傷をつける心配もありません。
写真3 樹脂の治具にはめた造形物
固定がしっかりできると作業時の衝撃が効率よく伝わり、ラクに速くきれいにサポートを除去することが出来ます。
この治具を使用することにより、以前に比べてサポート除去の時間を約4割も短縮できました。
写真4 サポート除去後の様子
弊社のサービス「AMbition」は、金属AMに関する用途開発・造形サービスではありますが、今回サポート除去のために用意した治具はEOS社の樹脂3Dプリンターで弊社が設計・造形したものです。
弊社は金属だけでなく樹脂のEOS Pシリーズの装置販売もしていますので、ご興味ありましたら是非以下のページもご覧ください。