当社では様々な金属粉末を造形に利用しています。万が一にもその粉末同士が混ざり合う(コンタミネーションする)ことがないようにXRF(蛍光X線分析装置)を導入しています。これは対象物にX線を照射して発生する蛍光X線を測定し、構成されている元素の含有量を非破壊で知ることができる装置です。これを使用して元素を分析し、粉末材料の受入時や造形後の組成確認、リサイクル粉末の不純物のコンタミチェックなどに役立てています。
(XRF:X-ray fluorescence spectroscopy、蛍光X線分析装置)
実際にXRFでインコネル718(IN718)を分析した結果をご紹介します。
通常、金属AM(金属3Dプリンター)で使用するIN718粉末材料の構成元素の1つであるアルミニウム(Al)の規格値は0.2~0.8%と設定されていますが、一般的には0.4~0.5%の間で含有していることが多いです。
図2は通常のIN718と、故意にAl粉末を混合させたIN718のXRF結果になります。通常のIN718では1.44~1.52keVの間で検出される数値は低めですが、Al粉末を混合したIN718ではAlの数値は高くなっています。
このように明らかな違いを確認できました。
このAl含有量は多くても少なくても特性が変化するため、基準を設けて管理しておくことは非常に重要になります。
(IN718:インコネル、Al:アルミニウム、Mg:マグネシウム、Si:シリコン、ケイ素)