当社の金属AM(金属3Dプリンター)は、金属粉末を使用して造形しています。金属粉末にはさまざまな大きさがありますが、粉末の粒度分布は造形物の品質に大きな影響を与えるため検査の実施が必要となります。当社は使用する粉末の大きさに基準を設け、その基準を維持するために国際規格ISO13320「粒子径分布-レーザ回析・散乱」により確立された手法の測定技術である粒度分布測定装置を導入しています。
図1は当社で使用しているレーザ回析・散乱式粒子径分布測定装置です。
この装置は3本の半導体レーザを搭載しており、粒子の散乱光情報から粒子径情報を検出することができる仕様です。(図2)
では、次に当社で測定した金属粉末の粒度分布をいくつか紹介します。
今回はアルミニウム合金、マルエージング鋼、インコネル、チタンの測定を行いました。
(AlSi10Mg:アルミニウム合金、MS1:マルエージング鋼、IN718:インコネル718、Ti64:チタン64)
材料によって、粒度分布に多少のバラつきがありますが、最大70㎛から最小20㎛でした。当社ではこの測定をすべての造形前におこなっています。粉末の大きさにバラつきがあると、造形物の内部欠陥の原因となったり、造形エリアに粉末を均一に敷くことができなくなったりするため、基準を満たしているかの確認は重要です。