当社の金属3Dプリンターは金属粉末を材料にしており、品質管理の一環として粉末や造形体に含まれる酸素と窒素の濃度を測定することがあります。金属が酸素や窒素を多く含むと金属の靭性を低下させる要因の一つとなり、熱処理における歪みや表面割れの原因にもなるためです。当社では酸素・窒素分析装置を導入して、金属粉末材料や試験片を測定しているのでご紹介します。今回は金属粉末を測定しました。
測定する金属粉末を専用のカプセルに規定量入れて、酸素・窒素分析装置にセットします。
装置の中には高温に熱された坩堝があり金属粉末は溶融されて気化し、その際に発生するガス中に含まれる酸素と窒素が分析されます。
画像のように酸素と窒素がそれぞれ測定されました。
粉末に含まれる酸素が多いと酸化物が生成されやすく、造形時に造形体に混入してしまうことがあります。酸化物のような介在物は冷却速度が異なることによる歪みや亀裂の原因となり、疲労強度の低下など機械的性質に影響を及ぼす可能性があります。このように酸化物や窒化物があると様々な影響が出てしまうため、なるべく濃度値を下げるための改善が課題となります。