当社では実施している品質検査の一つに引張強度試験があり、試験片が破断するまでに要した力の大きさや伸びに異常がないかなど検査を行っています。出荷のための検査として、引張強さ、0.2%耐力、伸びの3項目を実施しており、それぞれの項目に基準を設けてどれか一つでも基準外であった場合は、検査不合格となりその製品の出荷は停止となります。検査で使用する試験片は製品と同じ造形プレート上に配置し、造形を行なっています。
今回は引張強度試験後の破断面の観察の様子についてご紹介します。
引張試験後のある2つの試験片の破断面をSEM(走査電子顕微鏡)で観察しました。
(SEM:Scanning Electron Microscope、走査電子顕微鏡)
2つの破断面の大きな違いは、図3にクラック(割れ目)があることです。図2は破断前に伸びがあり絞られていることが分かりますが、図3は伸びる前にクラックにより破断していることが分かります。これにより図3の製品は検査基準を満たさなかったため、出荷停止としました。当社では出荷検査で基準外となった試験片は、このようにSEMで破断面を観察して、どんな原因があるのかを調査しています。