前回に続き、今回はEOSの金属3Dプリンターを導入している歯科技工所の事例をご紹介します。
中堅の歯科技工所が果たすべき役割
国内の歯科技工所の中でも、中堅の歯科技工所は地域に根ざすとともに、新しい技術の導入に柔軟です。以下のような取り組みを行うことで、業界全体の変革を推進する重要なポジションを担っています。
最新技術の導入
金属3DプリンターやCAD/CAMシステム、3Dスキャナーなど、先進的なデジタル技術を積極的に導入し、生産性と品質を向上。
情報の共有
導入事例や成功事例を他の歯科技工所と共有することで、業界全体のデジタル化を促進。
人材育成への投資
従業員のデジタルスキル習得・向上を目的とした教育プログラムを整備し、新しい技術に対応できる人材を育成。
地域医療との連携
手作業の比重を削減しデジタル化を促進したことにより納品スケジュールが安定。地域の歯科医院と連携し、より迅速で高品質な歯科技工物を提供。小規模の歯科技工所からの外注を受けることもあり地域医療に貢献。
歯科技工所に金属3Dプリンターを導入
次に、実際にEOS金属3Dプリンターを導入した中堅の歯科技工所(A歯科技工所、B歯科技工所)の導入後にあった変化をご紹介します。
事例1:A歯科技工所
・ 歯科技工物の製作時間が従来比の30%短縮
・ 若手技工士のスキル向上が顕著で、短期間で製作工程をマスター
・ 安定した品質と納品により地域の歯科医師との信頼関係が構築され、新規顧客が増加
事例2:B歯科技工所
・ 生産効率向上により、年間収益が20%増加
・ 従来製造に使用していた石膏材料の使用量の削減、それに伴う環境負荷を軽減
・ 他の歯科技工所に向けた3Dプリンター導入に関する技術セミナーを開催し、業界全体に貢献
歯科技工所に導入されているEOS金属3Dプリンター
A・B歯科技工所ともに歯科技工士の養成機関がない地域にあり、周辺の歯科医師や歯科衛生士、歯科技工士の人的資源のバランスが崩れかけている現状にありました。しかし、金属3Dプリンターを導入したことで、手作業が減り労働負担の削減が叶いました。さらにAM適用した歯科技工物は、曲げ強度の向上やイオン溶出量の削減などの機械特性も得ることができました。歯科技工物の均一な品質と安定した提供は歯科医師や患者にとってもメリットであり、地域医療への貢献を通じて、業界での信頼関係をより深化させています。
今後の展望
金属3Dプリンターの普及が進むことで、歯科技工業界はこれまでの課題を克服し、新たな可能性を切り開くことが期待されています。特に、属人性の排除による技術の標準化と、デジタル技術による効率化は、業界全体の底上げにつながるでしょう。その実現には、技術の導入だけでなく、業界全体の意識改革が求められます。中堅の歯科技工所がその先導役を果たすことで、地域社会と連携しながら誰にでも扱える技術を確立し、効率的かつ持続可能な業界の未来を築いていくことができるでしょう。
EOS/AMCMの3Dプリンターにご興味がありましたら、是非お問い合わせください。
文中のワードについて。
「AM技術」とは、Additive Manufacturing(アディティブ・マニュファクチャリング)の略で、3Dプリンティング技術を意味します。