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2023.08.22

nTopによるジャイロイドカードホルダーの設計事例【3Dプリンター向け設計ソフト】

 みなさま、こんにちは。nTopサポートの川浦です。

今回はnTopを使用してカードホルダーをデザインした事例をご紹介します。

 

デザインの流れ

CADモデルの準備

 nTopだけで全ての形状を定義することもできなくもないですが、とても手間がかかるので使い慣れたツールでベースとなるCADモデルを準備します。

また、予め工程を考えておき、必要になるモデルを小分けにしておくとnTopでの作業が簡単になります。ここでは4つのCADモデルを準備しました。

  1. ベース形状
  2. フレーム部
  3. ストッパー部
  4. クリップ部

ジャイロイドの適用

 ベース形状のCADモデルをインプリシットモデルに変換し、全体にジャイロイドを適用します。セルサイズと厚さは好みの見た目になるまで微調整です。

フレームの調整

 フレームのCADモデルはインプリシットモデルに変換すればそのまま使えそうですが、実は横着して作ってあり、角にRなどが付いていません。ストラップ穴も埋まっています。

これはブーリアン演算でベース形状と重なる部分を抽出すれば解決です。

QRコードの立体化

 QRコードの画像ファイルをインポートし、グレースケールのフィールドを取得できます。
(白=1~黒=0となる数値の分布)

フィールド値をもとに一枚の板から黒い部分だけを抜き出して土台に載せます。

XAMロゴ作成

 これはnTopだけで作成しました。点と点を繋いだ平面を押し出すだけです。

 インプリシットモデルなのでまとめて移動・変形させて使いまわすことができます。
ここではストッパーの上に乗せ、QRコード土台の裏側にも彫り込みました。

統合して完成

 クリップ部はそのままインプリシットモデルに変換するだけです。
以上、全てのモデルをブーリアン演算で統合して完成となります!

実際の造形物

 後はEOS社製の樹脂3Dプリンター、FORMIGA P110 Velocisで造形して完成です。

EOSの樹脂3DプリンターP110で造形したカードホルダー

 いかがでしたでしょうか。ジャイロイドを別のパターンに変えることはもちろん、QRコード部分も画像ファイルを差し替えるだけで最終形状に反映されます。これをCADツールだけで実現しようと思うと途方もない手間がかかると思います。

 nTopの優れたカスタマイズ/オーダーメイド能力を感じていただければ幸いです。

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