作業の様子

製品活用事例CASE STUDY

2024.01.22

株式会社キャステック 様

国内初導入の金属積層造形機 EOS M 300-4

EOS

 埼玉県加須市にてダイカスト金型の主要部品の製造に特化している株式会社キャステック様は、国内外にむけてコアピンやインサート等を製造販売しています。今回はEOS製金属積層造形装置(金属3Dプリンター)EOS M 300-4を導入した事例をご紹介します。

以下、3Dプリンティング技術のことを、「AM技術」と記載。

大型機EOS M 300-4導入

株式会社 キャステック 代表取締役 飯島 雷一朗様

 EOS M300-4装置導入の前に、弊社は既に2018年にEOS M 290を導入していました。しばらくするとM290と同等クラスの設備が普及しはじめ、今回のEOS M 300-4は大型造形の依頼にも応えられる競争力を備えるために2022年に導入しました。

EOSを選んだ理由

飯島 雷一朗 様:
 1台目としてM290を導入の際、ほかにも検討していた数社のなかで、XAM工場のみが異なる種類の装置を数多く保有し最も充実していました。それは当時としては珍しく、実機が問題なく稼働している様子を見ることができたため、弊社での運用イメージも描くことができました。M290導入時はAM装置をはじめて扱う初心者だったので、周辺設備も含め知見のあるサポートが必要だったことからXAMさんの支援体制の良さが魅力的でした。また、担当営業の方のバックアップが厚かったのも大切なポイントでした。
1台目に導入したEOS M 290(キャステック様社内)

M300-4の購入の決め手となった性能の高さ

飯島 雷一朗様:
 まず、1つめに装置のスペックの高さ。4本レーザーの搭載は他社の装置でもありましたが、M300-4は4本レーザーそれぞれを造形領域の全エリアに照射できることが決定打となりました。2つめは補助金制度の活用ができたこと。3つめは生産性が向上し量産が可能となることでした。AM装置を2台所有することで複数材料にフレキシブルな対応ができます。

AMはまだまだ新しい分野ですので、いま守りに入る必要はなく、チャレンジしなくてはいけない分野だと思っています。弊社が導入したM300-4は日本国内だけでなく当時はアジアでも未導入だったので、先陣を切って挑戦に踏み切りました。
国内初の導入となったEOS M 300(キャステック様社内)

AM装置導入後に実感する変化や効果

営業課 技術営業係 係長 北原 正隆様

 AM装置の導入により、従来製造では出来ない形状がAMでは可能になるのでAMを使いたいお客様の声に応えることができるようになりました。また、ご要望に応えるだけではなく、例えば冷却回路設計などAMならではの複雑形状の製造も可能であることをお客様にご提案できるようになったのは大きな強みになっています。

少しずつAM技術が使える会社として認知され、新しい鋳造のためにキャステックを選んでいただくようになり、日々経験を積みながらAMへの対応力を伸ばしてきました。 EOS装置の導入後は弊社がお客様に選んでいただける理由の一つとして、EOS装置を所有している、という事もありましたので、いち早く導入して良かったです。 生産面としてはM300-4導入後従来と比較して2~3割のコストダウンにつながっています。ダイカスト金型でAMと言われたときに、「キャステック」の名前が一番に浮かんでほしいと思っています。
金属AM造形サンプル①(キャステック様)
金属AM造形サンプル②(キャステック様)
金属AM造形サンプル③(キャステック様)

導入前後の当社のサポートについて

飯島 雷一朗様:
 弊社工場には工作機械を多種揃えており、どんな装置でもトラブルが発生してしまう可能性があることは理解しています。だからこそトラブル発生時のサポートの様子はよく覚えているもので、その対応力の高さが次の購入を決める要素にもなります。 
生産技術課 3DPエキスパート 細渕 夏未様

  XAMさんはM290の導入時も今回のM300-4の導入時も対応が丁寧でした。 さらに国内初号機となるM300-4の立上作業では、XAMさんが迅速に対応していた様子が印象に残っています。弊社が想定していたよりも早く稼働を開始することができました。分からないことについて質問した際も、すぐに答えがもらえるのでXAMさんの持つ技術力の高さも信頼しています。

M300-4の使用感について
M290と比べて造形できるパーツが大きく、重くなるため使いづらいのではないかと思っていましたが、M300-4は操作がかなり自動化されており懸念点はカバーされていました。さらにレーザーが4本搭載されており造形速度が速くなることで、次の造形までのリードタイムや生産コストを削減できています。
金属AM造形サンプル④(キャステック様)

これからのAMに期待すること

飯島 雷一朗様:

 ダイカスト業界でもAMの話題が多くなり認知が進んでいるのを実感しています。より安定した製品を作れるようになればAMの可能性はもっと広がり、ダイカスト業界だけでなく他にも取り入れていきたいと思う企業が増えていくと思います。引き続きEOS社の設備や材料開発、技術力によってAM部品の寿命の更なる安定化を期待しています。

弊社ではAMはまだ事業の中のほんの一部の対応ですがAM需要の増加に対応できるようより一層活用して、AMの本場である欧米のお客様にも埼玉からサービスを提供していきます。
EOS M300-4の前にて、キャステックの皆さん
会社名 株式会社キャステック
Webサイトhttp://www.castec-inc.com
本社〒349-1148 埼玉県加須市豊野台2丁目717-6
設立1937年
事業内容ダイカスト金型部品製造販売

(株)NTTデータ ザムテクノロジーズでは、

3Dプリンター、用途開発、受託製造、金属材料開発など、3Dプリンティングに関する質問やお問合せを受け付けております。

会社概要​COMPANY

  • 会社情報​ABOUT US

    VISION:AMをものづくりのあたりまえに
    MISSION:AMの実践者であり先導者として、産業化されたAMプロセスを実現する

  • 製品・サービス​SOLUTION

    AM装置の販売からメンテナンス、受託生産、ソリューション開発に至るまで、
    AMに関するさまざまな事業を展開しています。