以前、形状や厚みなどさまざまな金属試験片も研磨しているとお話をしましたが、薄板状の試験片を研磨することも少なくありません。極薄の造形物の断面の欠陥が見たいといったご要望は、パラメータ開発というよりは製品に向けた品質実験への意味合いが強いです。内部を観察して欠陥の少ないパラメータを見つけることで、薄板でありながらも強度を向上させることが可能となります。今回は薄板造形物の研磨について2つの事例をご紹介します。
研磨例1
図1の厚さ1mmの試験片を0.5mm付近まで薄く研磨して、試験片の中心面を観察。
工程
・樹脂包埋をすると厚さが測れないので研磨台に試験片を直接貼り付ける(図2)
・半分程度の厚みまで研磨して、表面を観察する(図3、4)
研磨例2
図5はペットボトルの断面に似た形状の試験片です。
図6のように赤いラインでカットした断面を研磨、観察。
工程
・樹脂で薄板を補強し切断面を研磨する(図7)
・断面部分の欠陥の観察や、断面の厚さの測定をおこなう(図8)
これらのように極薄につくられた造形物の場合、わずかな欠陥で板厚を貫通する可能性があるため、注意深く観察する必要があります。